ショーン・ビーン (今週のスター)

知能犯的な悪役
 なんだか好きな俳優だ。正直言って、「ロード・オブ・ザ・リング」(01)を見るまでは、まったく気にもとめなかった俳優だが、「ロード・オブ・ザ・リング」を見てからは、色々な作品で顔を見て「あっ!」と言わせてしまう。そのどれもが悪役ばかりというのは、それまでの彼のキャリアを見てみれば納得か。「パトリオット・ゲーム」(92)、「ゴールデンアイ」(95)、「RONIN」(98)など、悪役三昧である。今では悪役も板に付いてきて、知能犯的な役柄にその才能を発揮している。ついこの間も「ナショナル・トレジャー」(04)と「アイランド」(05)で、人様の前ではいかにも善人ぶっているが、心の中ではずるがしこい悪巧みをしている役を演じていた。そういえば「ロード・オブ・ザ・リング」でも指輪の魔力に屈してしまう哀れな人間を演じていたが、これも悪役の延長線にあるといってもいいかもしれない。死ぬシーンがかなり決まっていてかっこよかった。
 イギリスでは「19世紀のジェームズ・ボンド」とうたわれたテレビシリーズ「シャープ」(93-97)の主人公役で知られていたが、「ロード・オブ・ザ・リング」で人気が出てからは舞台劇でマクベスを演じるなど、活動の幅を広げている。

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