ジャン・マリア・ヴォロンテ (今週のスター)

(1933~1994)

 実は名優だっちゅーの

 するどい目つきがセクシーなジャン・マリア・ヴォロンテは、「夕陽のガンマン」(65)など、マカロニ・ウエスタンの極悪非道な悪役のイメージが多分に強いが、実は世界的に有名なイタリアの名優なのである。それも出演作は社会的なものが多く、社会派監督フランチェスコ・ロージの作品にもいくつか主演している。あくまでマカロニよりも「死刑台のメロディ」(70)などのようにもっと作品として主題性のあるものに出演しようする彼の姿勢は素晴らしい。彼は自分に向いていない作品は必ず蹴り、左翼的な作品ばかりに出演していたのだ。ヴォロンテ自身、左翼であり、共産主義活動などにも参加していた。

 国際的な賞も多数受賞しており、「労働者階級は天国に入る」(71)と「黒い砂漠」(71)はカンヌ映画祭最高賞をダブル受賞。「エボリ」(79)はモスクワ映画祭最高賞、「マリオ・リッチの死」(83)はカンヌ映画祭主演男優賞を受賞した。

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