シャルル・ボワイエ (今週のスター)

 良い名前だと思う。シャルル・ボワイエだなんて、いかにも有名人みたいな名前だ。覚えてもらいやすいし。スペルを見てみると、英語ではチャールズである。たぶんアメリカではチャールズと呼ばれてたんだと思うけど、日本の映画会社はデビューしたときの国の発音を優先させる傾向があるので、フランス映画でデビューした彼のことはずっとシャルル・ボワイエとして紹介した。かくしてシャルルは粋なフランス紳士の代表として、アメリカ・フランス両国で売り出し、女性ファンを虜にする。

 アメリカでは「歴史は夜作られる」(37)、「邂逅」(39)、「ガス燈」(44)、フランスでは「かりそめの幸福」(35)、「たそがれの女心」(53)、「女優ナナ」(55)などに出演。豪華キャスト映画「八十日間世界一周」(56)ではもちろんフランス人の役で出ている。
 アメリカにフランス人のための施設を建てたり、映画以外でも活動していたが、1978年、愛妻が死んだ二日後、自分も後を追って自殺した。

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