シモーヌ・シニョレ (今週のスター)

~こんなとこでなんですが、まずは久しぶりのご挨拶から~
 「週刊シネママガジン」が休刊になって丸二ヶ月経過しました。これというのも遠い所に転職したのが原因なんですが、休刊後もリクエストは毎日いただいておりました。いつの間にかアクセス数も10万件を越えてしまいました(アリガトウ)。だからたまには「今週のスター」くらいは更新しようという気になってきたんです。なんつっても「今週の」という名目でやってるわけですから。
 しかし2ヶ月ぶりにアップとなると、そんじょそこらのスターじゃ読者は納得してくれないでしょう。サイト再開にふさわしい大女優を紹介しなきゃいけない。僕はフランス映画界のビッグスター、シモーヌ・シニョレの名前を思い出しました。しかも僕の持っていた写真が「え、こんなに美しい女優だったっけ?」と驚かせる珍しい写真でしたので、これは皆さんに見せないわけにはいかない。ここがサイト復活の糸口になればと思ったんです。これからは新シネママガジン・リニューアルに向けて、画像の見た目にも意外性を出していこうと思ってます。

 さて、シモーヌ・シニョレですが、久しぶりに本サイトで語るのが恐れ多い人物を紹介したもんだと思ってます。だって一部の女性ファンにとっては、神様みたいな存在だろうから。「嘆きのテレーズ」(52)、「肉体の冠」(52)、「悪魔のような女」(55)などなど、出演作が傑作揃いというのはもちろんだけど、興味をひくところはそのほとんどが悪女役であるということ。東にも西にもシモーヌ・シニョレほど悪女役の似合う女優は見あたらないでしょう。シニョレの演じる悪女はただの悪女じゃない。時には犯罪まで犯す行き過ぎた悪女であるが、しかし多くの女性たちの共感を得ることができる人で、難しく言うが、シニョレは女性の鬱状態を実体化したものじゃないか、なんて思うわけよ。俺ら男性ファンにとっちゃ怖くてご迷惑な存在でしかないけど、女性ファンにとっちゃ、悲劇的な一面も見られるわけだし。憧れさえ抱く神様みたいな存在なのかもしれない。

 正直言うと、第一印象としては、あまり美人とは思わなかった。しかしだ。彼女には何かしら男性を引きつける見えないフェロモンがある。この見えないフェロモンというのが大女優たる貫禄なわけで、尊敬される理由なんじゃないか。じっくり映画を見ていると、ヴィヴィアン・リーみたいな正当派美女よりも、シモーヌ・シニョレのオトナの熟しすぎた色気の方が妙に魅力的に感じたりもするもの。このじわじわした魅力がシニョレなんだよね。ドイツ出身だから、なんとなくディートリッヒと同じ香水の香りが匂ってきそうな気もするけど、いつまでも妖艶なフェロモンを放つディートリッヒと違って、シニョレは毎回オバサン度が良い具合にまとわりついていくわけよ。この「オバサン」の匂いがまたイモラルな魅力なわけよ。ハリウッドではディートリッヒさえも出せなかったこの匂い。だから「年上の女」(59)はいかにも良かったんだねえ。夫イブ・モンタンとは同い年だけど、モンタンは果たしてどこにひかれたのでしょう? ちなみにモンタンが浮気したとき、シニョレはこう言った。
「夫の愛人は趣味がいいのね。だって夫に惚れたんだから」
くー、女性ファンを泣かせる一言ですな。

 なんかこういう事を書くと僕がなんだか年上の女ばっかり好きみたいに誤解されちゃいそうな気がするけど(いやそれも確かに当たってるんだけど)、でも年下の女も好きなんですよ。ようするに僕にとって女性の年齢が何歳だろうがそれはそれで魅力だってことです。

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