ジム・キャリー (今週のスター)

ジム・キャリーは映画を変える

 ゴムみたいに柔軟な顔面を使って表情豊かな演技をするジム・キャリーは、我々に映画の見方を変えさせるパワーを持っている。ストーリーよりも芸に注目させるからである。作品が増えるたびにギャラの方が勝手に上昇していき、コメディアンとしては信じられないくらい儲かっているが、そのせいで嫉妬心の強い批評家からは余り好まれていないが、世間はジム・キャリーを温かく迎えた。彼は心から尊敬できる役者である。

 面白いのは、彼の想像力の豊かさである。色々な雑誌の記事を見てきたが、彼のインタビューほど興味深く読ませてもらったものはない。彼の話はとても面白かった。「小学生の頃は、学校の女の先生がチョークで黒板に文字を書いているとき、僕はゆさゆさと揺れる胸に釘付けになっていたよ」という表現。生き生きとして楽しい動きのある表現である。演技するときも、このように表現力豊かである。彼の目はとても輝いている。天才かもしれない。目標としている人物が正統派のチャールズ・チャップリン、ジェームズ・スチュアートというのも嬉しい。

 ついているのかそれとも才能なのか、「エース・ベンチュラ」、「マスク」、「バットマン・フォーエヴァー」など、興行的にも恵まれている。傑作揃いだが、中でも「トゥルーマン・ショー」、「マン・オン・ザ・ムーン」は批評家をアッと言わせた優れモノだ。
 無論、すでにジェリー・ルイスの才能は超えている。

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