シガニー・ウィーバー (今週のスター)

 たぶん世界一背の高い女優スターである。なんと182センチ。でっかいけど、すごく綺麗なおばさんである。アカデミー賞などのセレモニーでは、でかくて優雅でゴージャスなので、出席者の中でも一番目立ってしまう。ファッション・センスがよく、写真写りがいいのも彼女の大きなセールスポイントで、永遠の三十路を保っている。

 そんな彼女の出演作は、ちょっとホラーが多すぎる。SFホラー「エイリアン」(79)、コミカルホラー「ゴーストバスターズ」(84)など、もっぱらホラー映画で知名度を上げていく。「エイリアン2」(86)では前代未聞、ホラー映画としては珍しいアカデミー賞主演女優賞の候補に選ばれ、マスコミを騒がせた。以後も恐怖系の出演が多い。「デーヴ」(93)のファーストレディ役など、コメディ系もうまい。

 ウィーバーは僕の最も愛する女優の一人だが、やはり「エイリアン」シリーズのリプリーの影響が大きい(もともとリプリー役はJ・フォンダかF・ダナウェイがやる予定だったらしい)。リプリーという登場人物は、映画史においてジャンヌ・ダルクやジェームズ・ボンドよりも興味深い。
  「エイリアン」シリーズは、シリーズものとしては他に類を見ない大成功を収めた傑作である。6年に一本単位で作られたエイリアン・シリーズは、大きな共通点というと「エイリアンと戦う映画」「ウィーバーが主演」の二つしかない。監督は全作新人を起用しており、みんなまったく違う個性で、まったく違うタイプの映画に仕上げている。1作目はホラー映画だが、2作目はとてつもなく派手なアクション映画である。作品のためにスキンヘッドになったスターは、彼女が最初かも。とにかくあの姿にはぶったまげた。シリーズを通して、リプリーという役名は同じだが、ウィーバーはまったく性格の異なる4人を演じてきたのである。偉大だ。ぜひともまたウィーバーの主演で5作目を作って欲しい。

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