ジェームズ・メイスン (今週のスター)

(1909~1984)

 あの喋り方、良かったなあ

 ジェームズ・メイスン、知っている人は少ないかもしれないが、イギリスでは国民的アイドルであり、出演本数は主演からちっぽけな脇役まで、相当な数である。
 僕は一度、物凄く映画に詳しいコーヒー屋のおじさんと会ったことがあって、映画の話していたらジェームズ・メイスンの話題が出て、「僕、ジェームズ・メイスン好きなんですけど、あの人は余り有名じゃないですね」っていったら、怒られた。おじさんの世代にとっては、知らない人はいない名優だったそうなのだ。

 あの独特の喋り方、何というか、寝起きの声みたいな奴、あれが良かった。だからナレーターとしても割と人気があったみたいだ。

 出演作が多いのに、名作とはほとんど無縁だったとは寂しい話だが、中には「邪魔者は殺せ」(47)のような大傑作もある。この映画は英国で大評判となり、メイスンは公開当時の46年47年の二年連続で最もポピュラーな英国俳優に選ばれている。

 ハリウッドに進出してからは、脇役に目立っていたような傾向があるが、いくつかの作品は「このおっちゃんめ」といいたくなるほど印象である。「海底二万哩」(54)のネモ船長役、「北北西に進路を取れ」(59)の悪玉役、「天国から来たチャンピオン」(77)の天使役、あげれば切りがない。

 「スタア誕生」(54)、「ジョージー・ガール」(66)、「評決」(82)でアカデミー賞にノミネートされるが、受賞はしていない。スター性よりも地味さが目立つからだろうか。
 その他の作品に、「灰色の男」(43)、「五本の指」(52)、「砂漠の鼠」(53)、「日のあたる島」(57)、「ロリータ」(62)、「ローマ帝国の滅亡」(64)、「ロード・ジム」(65)、「としごろ」(69)、「夜の訪問者」(70)、「ブラジルから来た少年」(78)などがある。

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