サンドラ・ブロック (今週のスター)

カメラも喜ぶ綺麗なお姉さん
 生まれた年は1964年らしいけど、1967年と記された本もある。サンドラは89年にデビューしているが、このとき25歳。人気が出始めた「デモリションマン」(93)では29歳になっていた。美人女優としては遅咲きのため、映画会社の考えで67年ということにしておいたのかもしれない。「評決のとき」(96)も若く見えたし。業界ではよくあることである。67年から64年に誕生年が変わったことで、いきなり3歳も老けてしまった。え!もうこんな年?と思ってしまう。そういえば「プラクティカル・マジック」(98)ではニコール・キッドマンの姉役になっちゃってたし。
 「スピード」(94)を見たときは、ずいぶんと違うタイプの女優が出たもんだと思った。それまでは唇が真っ赤で、目がクッキリした金髪の女優こそスターだったが、サンドラはどれも当てはまらず、女優然とした印象があまり感じられなかった。でも、彼女が笑ったとき、何か輝くものがあった。インテリっぽいけどクラブで踊ってそうなワイルドな一面もあって、「ハーイ」って自分から挨拶しそうな、絶対にもてそうなコンサバ・タイプである。だから「あなたが寝てる間に・・・」(95)、「トゥー・ウィークス・ノーティス」(02)みたいな恋愛映画がぴったり。ストレートヘアとピンク色のセーターがよく似合う人だ。
 何か1本だけ見るなら、ちょっとひねって「恋は嵐のように」(99)、「28デイズ」(00)、「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」(02)もいいが、「ラブ・アンド・ウォー」(96)をあえて僕はイチオシする。一昔前の時代の看護婦役だが、古風で落ち着いた感じがよく、制服姿が綺麗だった。年下の若造の押しに心を許すまでじっくり演じており、うまい。監督のアッテンボローも「サンドラは凄いよ。カメラが喜んどる」と、彼女のカメラ写りを絶賛している。年上の綺麗なお姉さん像とはこの映画のサンドラのことを言います。

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