真田広之 (今週のスター)

ハードボイルド・アクションからスラップスティック・コメディ、はたまたNHKの大河ドラマからトレンディものまで、積極的に芸域を広げている僕の憧れの人です。
当代一の人情喜劇作家山田洋次の腕にかかり、真田は良い意味で「ふつうの人」となった。俳優が映画の中でふつうの人を演じるのは、簡単なようで、実は非常に難しいことなのだが、英ロイヤル・シェークスピア・カンパニーの舞台劇に日本人として初めて出演するほど演技力を認められている真田にとって、その壁は難なくクリアすることができた。米アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた「たそがれ清兵衛」(02)における真田の役は、まるで現代日本のサラリーマンをもじったような、いかにも人間くさい平侍で、山田流の、言動と行動が反比例する演出スタイルは、真田の演技にもマッチし、そのキャラクターは、多くの観客の共感を獲得した。あえてボロを着て、非ハンサムを装うが、それなのになにやらかっこいい。
ゼナ、月桂冠のCMでも有名で、お茶の間での国民的支持率も高い。時代劇においては誰よりも定評があったため、アメリカ映画「ラスト・サムライ」(03)に抜擢されたのは当然だった。そういえば深作映画や「リング」(98)など、出演作品の多くが海外でも当たっている。こうなると評価はうなぎ登りなんじゃないか。このまま前進を続ければ、いずれは三船敏郎を超えるときがくる! その期待をこめて、僕はここに紹介しました。

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