ゲーリー・クーパー (今週のスター)

(1901~1961)

性格もスタイルも愛された真のアメリカスター

 くぅー!! かっこいいねえ。僕ゲーリー・クーパーのこと大好きなんすよ。尊敬もしてるし、僕の一番の憧れだし。

 最初はエキストラ出演から。サイレント映画「つばさ」(27)に突然クーパーがでてきたのにはびっくりしたけど、ほんとちょい役だった。

 出世作は「モロッコ」(30)。初主演にしてプレイボーイの役だ。二枚目スターとして幸運のスタートだった。「モロッコ」に出てからは、水がわき出るように名作に恵まれる。クーパーは死ぬまでスランプ時代を経験しなかったスターなのだ。

 最初は単なる二枚目役者だったけど、フランク・キャプラとの出会いが、彼を成長させた。「オペラハット」で誠実で純情な青年を演じ、”アメリカ映画最初の誠実スター”といわれ、映画ファンたちから尊敬された。クーパーはまさにアメリカ紳士の鑑であった。その後、ジェームズ・スチュアート、ヘンリー・フォンダといった誠実スターが生まれたが、クーパーほど幅広い層から支持されてはいない。

 41年は記念すべき年である。最高傑作の「群衆」に出た年であり、「ヨーク軍曹」でアカデミー主演男優賞を取った時である。僕のお父さんは「ヨーク軍曹」を見て、彼の渋いイメージがくずれたとかいって失望してたけど、本当は「ヨーク軍曹」こそ最もクーパーらしい作品だといいたい。ちょっと世間知らずだけど、純粋無垢で勇敢なハートを持っている愉快な男。それがクーパーだ。

 代表作はかなりの数になるが、クーパーのかっこいいマスクが拝めるお薦め作品は「打撃王」(42)、「真昼の決闘」(52)、「友情ある説得」(56)。50を過ぎても落ち着いていてかっこいいんだなあ。僕はクーパーのように歳を取りたいと思っている。

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