ゲーリー・オールドマン (今週のスター)

ちょっとズレた役を演じ続ける男

 僕が初めてオールドマンを見たのは「レオン」(94)だった。何やらおかしな動きを見せる癖の強い悪徳刑事の役だった。その後、僕は色々な作品でこの英国俳優の顔を見ることになる。ここ最近こやつはえらく色々な映画に出ている気がしてならない。別に所構わず出まくっているわけではないのだろうが、個性が極端に強いため、脳裏に焼き付いてしまって、色々な映画に出ている気がしてくるのだ。

 実はオールドマンの快進撃はデビューしたときから始まっていた。デビュー作は「シド・アンド・ナンシー」(86)。いきなりの主演。セックス・ピストルズのシド・ビシャスに扮して、マニアックな人気を得る。一発目がこれだったせいで、その後も何やらズレた人間を演じ続ける。ひょろっとした体つきが幸いしたようだ。悪役も多い。
 「ローゼングランツとギルデンスターンは死んだ」(90)はベネチアで金獅子賞を受賞。「JFK」(91)ではそっくりのオズワルド役を演じ、「ドラキュラ」(92)では何とドラキュラ! 「不滅の恋 ベートーヴェン」(94)ではあのベートーベンを演じた。クラシックキャラクターや実在の人物の役が多いのは大したことである。

 そんな感じで、「蜘蛛女」(94)や「フィフス・エレメント」(97)など、順調に話題の映画に出てます。これからも熱い!

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