桑野通子 (今週のスター)

 僕のメル友が大好きという女優がこの人。いや、正直、僕は全くこの人のことを知りませんでした。調べてみましたが、知らないのが恥ずかしいくらいステキな女優でした。「金環食」(34)でデビュー。清水宏監督作品に多数出演していた女優で、「有りがたうさん」(36)など、上原謙とのコンビで戦前人気があったという。小津安二郎監督作「淑女は何を忘れたか」(37)は代表作。

 通子さんのブロマイドを見ていたら、なんだか恋してしまいました。僕はハリウッドの女優を見るのと同じトキメキを覚えました。写真だけ見ていても全然飽きないですね。なんというか、今の感覚で見ても古っぽくないし、ファッショナブルな感じがする。洋服が似合うし、すごくハイカラな女優さんなんですね。清潔で溌剌としたイメージがあって、男たちが一目惚れしてしまいそうな女性像そのものです。悲しくも通子さんは30歳で他界しています。もっと長生きしてくれてたら・・・。今時通子さんみたいな女優はいないもんなあ。

 通子さんの写真を見て、僕はひとつ気づいた。もっと戦前の日本映画を見るべきだと。
 映画評論家も雑誌社のライターも、たいてい戦後から映画を見始めた人ばかりなので、なにぶん戦前の映画の知識がない。だいたい僕らは戦前の日本映画を知らなすぎる。知っている人が少ないから、教えてもらう機会も得られないわけで、なかなかビデオ化されることがなく、このまま無知な人間が増えていくのである。だから今こそ僕らが戦前の映画をもっと知っておくべきではないのか。メーカーさんも頼むからもっとじゃんじゃん戦前の映画をビデオ化してくれい!

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