グレンダ・ジャクソン (今週のスター)

鬼才ケン・ラッセルの腰元?
 「マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺」(67)、「ウィークエンド・ラブ」(73)などで知られる演技派女優。
 典型的なイギリス人女性の気質を持ち、ときおりイギリスのウーマンリブ、フェミニズムの代名詞ともなる女優である。アメリカのアカデミー賞の歴史で、外国人が外国映画で主演賞を二回受賞した人は、今のところグレンダ・ジャクソン一人だけしかいない。彼女が凄いのは、活動の拠点をイギリスから離れることなく、ほとんどの作品を母国で製作していながらも国際的な評価を得ていることにある。ケン・ラッセル、ジョン・シュレシンジャー、ジョゼフ・ロージーら、イギリス映画界を代表する巨匠たちの作品にも多く出演している。とくにケン・ラッセルとの愛称は抜群。「恋する女たち」(69)、「ボーイフレンド」(71)、「サロメ」(87)などのカルト映画に出演。世界的視野から見てもケン・ラッセルの映画ほどアクの強いものはないと思うが、グレンダはそんなラッセル映画の常連だったので、言われるままに鬼気迫る精神異常者役ばかりやらされて、女性の魅力を犠牲にしちゃって、ちょっと可哀相な気もするけど、でも、だからこそ、演技力を高く評価されたのだろうし・・・。以前ウチのサイトでも紹介したことがあるチャイコフスキーのグロ物「恋人たちの曲/悲愴」(72)に出てるグレンダ・ジャクソンは、背筋がゾゾゾオッとなるほど怖い。僕が今までに見た中でも最も怖い女でした。
 イギリス映画(日本未公開作品もある)なので、なかなかソフト化されず、見たくても見られない作品が多すぎ。僕はグレンダの作品はまだ衛星放送でしか見てません。ビデオメーカーさん、どうかDVD出してください。

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