グレゴリー・ペック (今週のスター)

1916〜2003
大根役者だけど、型がいいんだなぁ

 グレゴリー・ペックははっきりいって大根である。大根で有名なスターだ。
 どの映画も同じような演技しかできないし、ちょっと頭を傾げて話すときの知的な表情もいつも変わらない。
 でも、グレゴリー・ペックのそのワンパターンの表情には、どこか引きつけられるものがある。だから、僕らはグレゴリー・ペックを愛せた。
 あの真似しやすい甘い声・・・。女性なら誰しも「ローマの休日」のペックに恋したことだろう。

 もともとはヒッチコック映画で有名になった役者であるが、「紳士協定」など、着々と社会的な映画にも出演しだし、やがては「大いなる西部」「アラバマ物語」などの大傑作で、アメリカの名誉あるスターとなる。

 僕が一番好きなペックは、聞いたら笑うかもしれないけど「白鯨」のエイハブ船長なんです。ごつごつしたやばいメイクで、なんか思わずウププッと噴き出してしまう演技なんだけど、そこがまた妙に気に入って、かっこいいと思ってしまった。当時はミスキャストだと、さんざんマスコミにこけにされていたらしいが。

 70年代以降の作品では、社会現象にもなったオカルト・ホラーの大古典「オーメン」が有名だろう。ずいぶんうまい具合に老けたものだ。
 90年代には自分の主演映画「恐怖の岬」のリメイク「ケープフィアー」と、「白鯨」のTV映画版にも出演し、まだまだ活動は積極的だ。(※2003年6月12日没)

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