クリント・イーストウッド (今週のスター)

マカロニ・ウエスタンとハリー・キャラハン

 僕の大好きな俳優である。この人、渋い! かっこいい!

 イーストウッドの本格的な俳優キャリアは、テレビシリーズ「ローハイド」(58)から始まる。同作でガンマンのイメージが焼き付いたおかげで、イタリアの西部劇(マカロニ・ウエスタン)でチャンスを手に入れ、「荒野の用心棒」(64)でようやくスターになる。このとき34歳。
 マカロニ・ウエスタンの特徴は、アメリカの西部劇と違って、野蛮で血なまぐさいイメージがあるのだが、無精髭をはやしたイーストウッドの渋い顔がそれを決定づけたのかもしれない。マカロニ・ウエスタンときけば、誰だってまず最初にイーストウッドが浮かぶはずだ。しかし逆にこの頃のクリント・イーストウッドのイメージはウエスタンだけに限られてしまっていた。それはもうパロディの標的にされてしまうほど定着していた。

 イーストウッドは監督としても優れた実力者であるが、恐らくドン・シーゲルの影響もあるだろう。イーストウッドはシーゲルの「ダーティハリー」(71)でついに西部の無法者のイメージから脱皮し、今度はタフな中年刑事のイメージを堂々と見せつけた。男たちはイーストウッドの演技に惚れ惚れしたものだ(かっこよすぎ!)。ここからイーストウッドは作品を発表するたんびに人気を高めていくのだ。
 ちなみに、シーゲルと組んだ作品では「白い肌の異常な夜」(71)、「アルカトラズからの脱出」(79)などの傑作もある。

 もう70歳になるが、まだまだ精力的にアクション映画に出演しているところには恐れ入る。出演作のほとんどは確実に成功しているし、監督作品の評価も非常に高い。恋人がまだまだ若い娘だということも、タフガイ・イーストウッドならではだね。

 日本では山田康雄さんが声を吹き替えていたが、これが最高にマッチしていて、渋味がより一層増したものである。

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