クララ・ボウ (今週のスター)

プリプリだなあ。クララ・ボウは良かったなあ。可愛かったなあ。もう大好き!
 クララは20年代を代表するスターである。当時全米でクララ・ボウ・ルックが大流行したと言われ、ハリウッド神話を語るにあたっては決して忘れてはならない伝説のスターとなっている。
 モンロー同様、作品を見なければ本当の魅力はわからない。とにかく彼女の動いている姿を見てご覧よ。ほんとにキャピキャピしてて可愛いのなんの。まるでお人形さんみたい。それでいてすごくセクシーで、なんだかベティ・ブープちゃん(30年代のアニメスター)みたいなプリプリした無邪気な可愛らしさがある。サイレントなのに、ブブッビドゥープーな魅力がある。あのプリプリ感(ブリッ娘とは違う)を出せる人は、今の映画界にはいないね。柔らかそうな体をいっぱい露出させて、愛嬌をふりまいて、あのプリプリ感は、クララ・ボウとマリリン・モンローだけしか修得できなかった女の特殊攻撃アイテムだよな。ちょっとくるりとターンするだけで可愛いし、ウィンクパチリするだけで男達をご機嫌にさせちゃうプリプリが彼女にはある。全身からフェロモンが飛び散っている。モンローもすごいけど、クララ・ボウはモンローよりも30年も早くモンローっぽいことをしてたし(つけホクロもやってた)、メイ・ウェストやベティ・ブープちゃんよりも先輩だもんな。すごいよな。
 第一回アカデミー賞を取った戦意高揚映画「つばさ」(27)も、クララ・ボウのおっちょこちょいで一途な女軍人のコスプレが可愛かったから面白かったんだ。あの映画を見て軍隊に入隊した男の子たち、多かっただろうね。彼女はもう眼の中に入れても痛くない。ただただひたすら本気で可愛かった。モンローよりも可愛いかったかもよ。
 当時は「あれ」(27)が大ヒットして、その作品がきっかけで<イット・ガール>という異名がついたけど、これは<男女両性を惹きつける女>という意味だそう。あのヘアスタイル、あの服装、あの眉、あの唇、あのマニキュア、あのプリプリ。すべてがモダンだった彼女はおそらくハリウッド最初のセックス・シンボルである。しかしモンローだけが歴史に残り、クララ・ボウの名はいつしか葬り去られた。たとえ元祖でも忘れられてしまえばそれまでなのだ。

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