キャロル・ロンバード (今週のスター)

 この人もまたハリウッドの伝説的なスターである。ブロンド美人といえばまっさきにロンバードを思いつくし、「コメディエンヌ」と呼ばれた最初のスターもおそらくロンバードではないかと思う。アメリカ生まれとはいえ、両親はイギリス人。しかしこのハリウッド臭さはなんなんだろう? ドイツのディートリヒ、スウェーデンのガルボと同じく、外国人らしさがハリウッドの女優神話を作った一例である。

 女優になったきっかけは「ロサンゼルスに住んでたから」。近所に映画監督が住んでいて、ラッキーにも彼にスカウトされて13歳で銀幕デビュー。ところが自動車事故で顔を怪我し、契約をふいにしてしまう。しかし今度はコメディの父マック・セネットに気に入られて、水着美人シリーズに数本出演する。そんなこんなでなんとか業界に残り、ようやくパラマウントに入社。「特急二十世紀」(34)が大絶賛される。39年あのクラーク・ゲイブルと結婚。しかし飛行機事故で33歳の若さで他界した。

 彼女の映画人生は短くもドラマチックで、彼女の伝記映画は多数ある。しかし日本ではあまり彼女の作品はビデオ化されていない。戦前最高のブロンド・スターなのにだ。まさに30年代美人である。

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