キム・ベイシンガー (今週のスター)

(1953~)

 見て欲しいのは「花嫁はエイリアン」

 キム・ベイシンガーはアメリカ生まれだが、スウェーデン人やドイツ人やインディアンの血が流れているので、ちょっとアメリカ人ばなれした顔つきをしている。母はモデル、父はミュージシャン。こんな両親だから、キムも早くに芸能界入りを夢見て、ダンスなどを練習。地元の美人コンテストに出てモデルになった。最初はプログラム・ピクチャーにしかありつけなかったが、「007」の番外編「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(84)に出たことでようやく認められる。「ナチュラル」(86)でもミステリアスな役どころに立ち、しだいに出演作も増えていくが、「ナインハーフ」(86)に出演したことで一躍話題になった。ガーターベルト姿でダンスするセクシーなベイシンガーの目つきには全世界に男女が悩殺された。

 僕的には「ナインハーフ」のベイシンガーはちょっと怖くてニガテだったんですが、でも「花嫁はエイリアン」(88)はいけてるかと。地球の文化について何も知らない宇宙人が、地球人の美女に変身して巻き起こす大騒動。安っぽいコメディ映画だったけど、これがなかなか面白かったりする。色っぽいドレスで登場して、恥ずかしい格好とかするけど、本人は他人の目線に全然気付いておらず、表情はいたって無邪気。料理とか作っても、分量がわからないから特大になったり、天然ボケっぽい所が可愛らしかった。
 そういえば「バットマン」(89)にも出ていた。「バットマン」のシリーズって、毎回出演者がかなり豪華なんだけど、みんな個性が強すぎるよね。だから一番ノーマルな感じがするベイシンガーは、シリーズ中どこか浮いている気がしないでもない。「へえ、ベイシンガーもあのシリーズに出てたんだ」ってな気分になる。

 「あなたに恋のリフレイン」(91)に出て、アレック・ボールドウィンと共演。その後、「ボクシング・ヘレナ」の出演を勝手に降りたことで訴えられて、740万ドル支払う羽目になり、93年に破産宣言をしてしまう。ボールドウィンとはその3ヶ月後に結婚しているが、そのおしどり夫婦ぶりは「ゲッタウェイ」(94)が示す通りだ。

 この前は「L.A.コンフィデンシャル」(97)に出てアカデミー賞を受賞した。これからも大いに期待していいだろう。

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