カーク・ダグラス (今週のスター)

(1916~)

 マイケル・ダグラスの親父と呼ばないで

 マイケル・ダグラスがここ十数年、ずっと成功しているので、父親である名優カーク・ダグラスは今じゃ「マイケル・ダグラスの親父」と扱われるようになってしまった。そこまで落ちぶれてはいないのに、残念である。出演した映画は良作揃いなのにね。

 カークはボクシング映画の古典中の古典「チャンピオン」(49)で無名俳優から脱皮し、少しずつキャリアを充実させていった。「炎の人ゴッホ」(56)では伝説の画家ゴッホに扮して、批評家の間から絶賛され、「OK牧場の決斗」(57)では観客たちを大いに熱くさせてくれた。

 興味深いことに、ビリー・ワイルダーの「地獄の英雄」(51)、ビンセント・ミネリの「悪人と美女」(52)、スタンリー・キューブリックの「突撃」(57)、ブライアン・デ・パルマの「フューリー」(78)など、偉大なる監督の初期の隠れた意欲作にも出演している。

 僕のお薦めは「海底2万哩」(54)。お子さま向きの映画だけど、カークの映画ではベストだと思ってる。
 演技面を見たければ、もちろん「スパルタカス」(60)に決まり。「スパルタカス」はまさしくカーク・ダグラスのための映画だった。

 それにしてもそっくりだぁ。

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