リーバ・マッキンタイア (今週のスター)

とりあえずどんな役でもいいから演技したい
 映画に出てこそ一人前の人気歌手かもしれない。リーバ・マッキンタイアは有名なカントリー歌手で、アメリカのスーパースター的存在である。15年も前に、すでにプラチナ・ディスクとグラミー賞を獲得していた。それにも関わらず映画出演とは縁がなかった。人気歌手は映画出演もするものだし、そろそろ自分もやるしかない。決意したリーバは自分を売り込むため、ちょうど募集していた「トレマーズ」(89)の銃マニアの夫人役のオーディションを受けてみることにする。来たその場で即決の合格。はれて映画出演となるが、まさかミニチュアの低予算特撮映画がデビュー作になるとは、音楽ファンはさぞや目を丸くしただろう。台詞も少なく、とくに目立つ役でもなかったが、カントリー・タッチの作品だったので、なかなか様になっていた。あまりうまい演技とも言えなかったが、ウィンチェスター銃を自慢したり、怪物にガンガン弾をぶちこむ胸のすくシーンでは大奮闘を見せた。人気歌手なのに、あくまでミーハー路線でなく、「私だと気づいてくれたら嬉しい」、みたいな地味な態度がヨロシイ。彼女のような大人物がこんな映画の中に隠れていたなんて! でもエンディング・テーマ曲には、ちゃんとリーバの曲が使われているし(ちゃきちゃきの鼻声が利いてます)、ファンのみんなもひと安心だろう。それからはリーバも劇場用映画・テレビ用映画に出演する機会がじょじょに増えてきて、「ノース」(94)でも顔を見せている。

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