バック・トゥ・ザ・フューチャー (名作一本)

Back to the Future

<アメリカ/1985年/青春もの>
製作:ニール・キャトン/製作・脚本:ボブ・ゲイル
監督・脚本:ロバート・ゼメキス
撮影:ディーン・カンディ/音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン

●何度も再放送される人気
 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、僕たちの世代にとっては、まさに青春だ。実は僕が生まれて初めてビデオ屋で借りた映画がこれだ。うちの姉に薦められたのがきっかけだった。面白かった。僕は虜になった。世の中にはこんなにも面白い映画があったのか、と思った。
 テレビでも何度も放送されているが、放送されるたびに僕は見ていた。あのかっこいい音楽が頭から絶対に離れることはなかった。
 続編が2つも作られて、しかも2つとも売上げが長い間一位を記録。きっとみんなにとっても、思い出深い作品だったんだね。パロディも多い。

●欠点なしの底なしの面白さ
 この映画ははっきりいって名作である。すこぶるエキサイティングな欠点なしの大傑作。 いっぱい楽しんで、いっぱい笑って、いっぱい悩んで、いっぱい心配して、いっぱいハラハラして、いっぱい喜ぶ最強のエンターテイメント!
 青春映画にSFがからんだ作りだが、実にユーモラスで、アクションあり歌あり踊りありで、娯楽的見せ場がいたるところに盛り込まれている。
 様々なキャラクターが登場するが、それぞれ悩みを抱えており、事件・問題が絶え間なく二重三重に発生するので、もう安心する暇もない忙しさ。そこがこの映画の面白さである。
 実にハリウッドらしい作品だが、こういう映画を見ると、ハリウッドは世界一の映画工房だなぁって、つくづく感心してしまう。

●見るたびに新しい発見が・・・
 この映画が今も見る者をつかむ理由は、見るたびに新しい発見があるからだろう。現在と過去と未来を舞台にしているので、色々なところに共通項があったり、比較すべきところがあったり、マニアックな感性が刺激される。SFとサスペンスの要素が増強されたスリリングな「2」と、西部劇とロマンスの要素が増強された心安らぐ「3」の3部作をまとめてみれば、その面白さも倍増だ。「1」だけは単独でも楽しむことができる。


●マイケル・J・フォックスを応援しよう
 最後にもうひとつ。
 マイケル・J・フォックスは、ずいぶんと昔から闘病生活を続けていたらしいが、この前、ついに病気だということを告白、世界中のファンがショックを受けた。今では痙攣でカクテルができてしまうほど悪化しているらしく、ぜひとも頑張ってもらいたい。元はエリック・ストルツの役だったマーティ役は、まさしくマイケルの最高傑作。復活する日を祈って応援しよう。

(第9号 「名作一本」掲載)

オリジナルページを表示する