エリック・クラプトン (今週のスター)
ハードロックの開祖
サイケデリック音楽が流行していた60年代半ば、エリック・クラプトン(ギター)、ジャック・ブルース(ベース)、ジンジャー・ベイカー(ドラムス)は、ロック史上最も影響力のあるトリオとなる「クリーム」を結成し、白人ブルーズにジャズのアドリブの要素を取り入れ、「ハード・ロック」という新しいジャンルを生み出した。ハード・ロックの醍醐味は、第一に演奏、第二に演奏、第三に演奏。己の殻に閉じこもり、他人に影響されぬまま、ひたすらにアドリブで内面の感情を表現していく。ハード・ロックのテンポは通常遅くて重厚なものがほとんど。楽器そのもののサウンドに酔いしれることがハード・ロックの神髄であり、歌やメロディなどは二の次だ。聴かせる音楽というよりは、己のために自作自演する音楽である。このやり方が60年代半ばから70年代初頭にかけて全盛であり、ベック・ボガート&アピス、レッド・ツェッペリン、オールマン・ブラザーズなど、数多くのハード・ロック・バンドが誕生したが、クラプトンのスロウなギター・ソロは、ライバルだったジミ・ヘンドリックスと共に、ハード・ロック・ギターの基板をすでに築きあげていた。僕が一番好きな音楽はハード・ロックだが、誤解しないで欲しいのは、今世間一般で「ハード・ロック」といわれているもののほとんどは「メタル」であり、厳密にはハード・ロックとはまったくもって別の音楽だということだ(だからハード・ロックとヘビメタを同等扱いされるのはかなりの抵抗がある)。本当のハード・ロックはクラプトンのような音楽を指している。
映画ではグラミー賞に輝いたジョージ・ハリソンの「バングラディシュ・コンサート」(71)、ロック・オペラというジャンルを確立したザ・フーの「トミー」(75)、マーティン・スコセッシが監督したザ・バンドの「ラスト・ワルツ」(78)などで演奏を聴かせてくれる。記憶に新しいところでは「フェノミナン」(96)の主題歌「チェンジ・ザ・ワールド」が有名だ。
サイケデリック音楽が流行していた60年代半ば、エリック・クラプトン(ギター)、ジャック・ブルース(ベース)、ジンジャー・ベイカー(ドラムス)は、ロック史上最も影響力のあるトリオとなる「クリーム」を結成し、白人ブルーズにジャズのアドリブの要素を取り入れ、「ハード・ロック」という新しいジャンルを生み出した。ハード・ロックの醍醐味は、第一に演奏、第二に演奏、第三に演奏。己の殻に閉じこもり、他人に影響されぬまま、ひたすらにアドリブで内面の感情を表現していく。ハード・ロックのテンポは通常遅くて重厚なものがほとんど。楽器そのもののサウンドに酔いしれることがハード・ロックの神髄であり、歌やメロディなどは二の次だ。聴かせる音楽というよりは、己のために自作自演する音楽である。このやり方が60年代半ばから70年代初頭にかけて全盛であり、ベック・ボガート&アピス、レッド・ツェッペリン、オールマン・ブラザーズなど、数多くのハード・ロック・バンドが誕生したが、クラプトンのスロウなギター・ソロは、ライバルだったジミ・ヘンドリックスと共に、ハード・ロック・ギターの基板をすでに築きあげていた。僕が一番好きな音楽はハード・ロックだが、誤解しないで欲しいのは、今世間一般で「ハード・ロック」といわれているもののほとんどは「メタル」であり、厳密にはハード・ロックとはまったくもって別の音楽だということだ(だからハード・ロックとヘビメタを同等扱いされるのはかなりの抵抗がある)。本当のハード・ロックはクラプトンのような音楽を指している。
映画ではグラミー賞に輝いたジョージ・ハリソンの「バングラディシュ・コンサート」(71)、ロック・オペラというジャンルを確立したザ・フーの「トミー」(75)、マーティン・スコセッシが監督したザ・バンドの「ラスト・ワルツ」(78)などで演奏を聴かせてくれる。記憶に新しいところでは「フェノミナン」(96)の主題歌「チェンジ・ザ・ワールド」が有名だ。