ディパーテッド (映画史博物館)

この年は、洋画も邦画もリメイク映画もたくさん発表された。あまりにもリメイク映画が多すぎるため、あえてリメイク云々で評価すること自体が馬鹿らしくなった年でもある。『ディパーテッド』はまだ記憶に新しい香港映画『インファナル・アフェア』のリメイク映画だがアカデミー賞を受賞する快挙をあげた。無冠の帝王といわれたスコセッシ監督への同情票とも思われたが、実際に作品の出来栄えは極めて高く、最後まで引き込まれる良質の犯罪映画になっている。元ネタ『インファナル・アフェア』と比べると、勝っている点も劣っている点もあるが、『ディパーテッド』には元ネタにない構造の美学を感じさせる。改めてアメリカ映画の完成度に圧倒されると共に、商業としての映画製作の何たるかを教えられる思いである。

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