処女の泉 (映画史博物館)

問題作「処女の泉」 16世紀のスウェーデン。神聖な儀式のために、山ひとつ越えたところにある遠い教会に一人で行くことになった世間知らずの生娘が、途中3人組の追いはぎに殺され、身ぐるみを剥がれる。その事実を知った父親は、身を清め、追いはぎに復讐する。 仄暗い火の光に照らされた暗い夜の映像が素晴らしい。黒白のスタティックな映像美の中に中世スウェーデンの様式を崇高なタッチで描き上げて、これぞ北欧映画芸術の到達点である。無神論者だったといわれるベルイマンは喜劇映画監督だが、どちらかというとこのような信仰に疑問を投げかけた内容の宗教映画の方に真価が発揮される。

オリジナルページを表示する