ドキュメンタリー賛歌 (メールマガジン)

2006/2/27 Vol.76

こんにちは。先週ノキアの携帯に変えた澤田です。

もう2週間も更新をサボってしまいました。映画も2週間まったく見ていません。いったいこの2週間何をしていたのかというと、ずっとトリノオリンピックを見ていたのです。昼は仕事、夜はオリンピックで、毎日寝不足状態。お陰で更新をサボってしまいました。僕はオリンピックは夏よりも冬の方が好きなんですよ。冬の方が綺麗だし、スピーディだし、危なっかしい競技が多いですから。

僕がスポーツ観戦を好きなのは、スポーツをしている人がみんな生き生きとした素敵な顔をしているからなんです。きっと実力をつけていくうちに自信がついてきて自然と顔まで良くなっていくのでしょう。見ていて元気をもらいます。

この2週間、本当にいいものを見させてもらいました。荒川選手はSPで3位についたときから絶対金メダルを取れると思っていましたが、僕らの期待にちゃんと応えてくれました。僕も深夜3時半からテレビの前に釘付けになって見ていたので、あの完璧な演技を見たときには本当に心からじんときました。本当に本当にあの時の荒川選手は輝いていました。技を決めて演技中に思わず笑みがこぼれたときは、僕もうれしくてなりませんでした。僕は生まれてこのかた、テレビを見ていてこんなに感動したことはありません! この感動が冷めるまで、しばらく他のことに手をつけられなくなりそうです。


ミニコラム「ドキュメンタリー賛歌」

映画は2つの形式に大別できます。それは「ドラマ」と「ドキュメンタリー」です。つまり物語なのか事実なのか。

「ドキュメンタリー」というと、偉人伝や、動物の生態もの、政治映画など、皆さん堅苦しいものを想像するかもしれません。そのせいでドキュメンタリーのイメージはかなり暗いものになってしまいましたが、皆さんもっと明るく考えようじゃないですか。

映画の世界では圧倒的に「ドラマ」が優勢ですが、テレビは違います。テレビの世界では実は圧倒的に「ドキュメンタリー」が勝っているのです。僕はバラエティ番組や漫才が好きですが、これらもある意味ドキュメンタリーに属しているんじゃないでしょうか。そういえば野球中継も歌番組もドキュメンタリーですね。ニュース番組も無論ドキュメンタリーです。

テレビって、これさえあれば他にいらないってくらい面白いですよね。おそらくほとんどの人はテレビを見る時間が映画を見る時間を上回っているはず。つまりは大衆ってのは、ドラマよりも、むしろドキュメンタリーを欲しているんじゃないかと思うんですよ。だからテレビを見る。だからテレビが面白いんですね。逆にテレビでドキュメンタリーばかり見ているから、映画館ではドラマが見たくなるのでしょう。お金を払ってまでドキュメンタリーを見たくないんですね。

ドキュメンタリーが面白いのは、それが本物だからです(やらせもありますが)。バラエティ番組に出演しているゲストのトークも演技ではなく、自分の言いたいことを言っています。本物だからこそ、視聴者は一喜一憂することができるのです。たとえば、ドキュメンタリーの中で、生き別れた親子が再会するシーンがあるとすると、これをドラマで再現したところで到底ドキュメンタリーには敵わないのです。たとえカメラワークが簡素だろうが、本物の方が説得力があるのです。「風と共に去りぬ」はドラマ映画の名作ですが、その映画ができるまでを描いたドキュメンタリー「風と共に去りぬ/幻のメイキング」は本編以上に興味深い内容であることに驚きます。事実は小説よりも奇なりですね。

先ほど挨拶にも書きましたが、トリノオリンピックのフィギュアスケートを生放送で見たときには、ドラマにはない臨場感にただただ圧倒されました。やはり物語ではなく、事実であることの意味は大きいのです。

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