誕生日にライムライトを見て (メールマガジン)

2006/1/10 Vol.69

こんにちは。澤田です。

この時期は特番が多いですね。僕がこの時期に毎年欠かさず見ている番組は、「志村けんのバカ殿様」と「仮装大賞」です。

毎年初笑いは決まって「バカ殿」。これを見るとホッとします。志村けんは僕はコント王だと思ってます。今年もいつもどおり、ワンパターンでしたけど、そこがいいんですね。「待ってました」といいたくなります。豪華ゲスト陣にコントさせるところが楽しいですね。テレビを見ながら大声でガハハと笑う。これが僕の健康法ですよ。志村けんはあの年になってもまだまだ面白いですね。お笑い業界というのは常に若手がリードしていく世界だと思うので、あの年でも若手を食える志村けんの存在は貴重です。

「仮装大賞」、これも僕がちびっ子の頃から欠かさず見てきた番組です。欽ちゃんだけでも十分面白いのですが、最近は若手の香取慎吾がサポートしてるので寂しくもありますが。「仮装大賞」が面白いのは、手作り感覚あふれる芸術だからだと思います。昔から僕は工作が大好きだったので、この番組を見ているとウキウキしてきます。で、いつも自分も審査員になって気分になって採点するのが好きですね。どのチームが優勝するか、たいてい予想は的中します。


ミニコラム「誕生日にライムライトを見て」

誕生日は、自分だけのための特別の日。1年でたった1日。無駄にしたくないものです。僕は映画が大好きなので、1月7日の誕生日には映画を見ることにしました。

せっかくなので、自分にとって最も大切な映画を見たいところです。それで、即決でチャップリンの「ライムライト」を見ることにしました。この映画は何度見ても面白いですね。見るたびに解釈が変わっていくような気がします。老チャップリンの生き様も惚れ惚れしますが、女優クレア・ブルームも信じられないほど美しいですね。

誕生日になって思いましたけど、当たり前のことかもしれませんが、その年齢の心境は、その年齢になってみなければわからないということがわかりました。20歳の人間がどんなに頑張っても、30歳の本当の気持ちは30歳に実際になってみないとわからないものなのだと、僕はやっと気づきましたよ。だから「ライムライト」も、これから毎年1度は見ていきたいです。

たいていコメディアンというのは年をとるとつまらなくなるものなんです。常にコメディ業界というのは若手が一番面白いので。日本のお笑い番組を見てみても、ベテランよりも若手の漫才の方が面白いですからね。ベテランというのは芸の質よりも「名前」の方が大事なんですね。つまらなくても名前がビッグだと、見る価値があるのです。「ライムライト」でも主人公は自分の名前なしには生きてはいけませんでした。この映画は、そうした現実の厳しさも描かれているのですね。

「ライムライト」で一番間延びするシーンは、チャップリンとバスター・キートンが共演するシーンでしょうね。はっきりいってこの場面でのバスター・キートンのギャグはつまらないです。この年老いた共演者がもしキートンだと知らなかったら、とても見られたものじゃないんです。ところが、共演者がキートンだと知っていると「え!あの二大喜劇王がまさかの共演!」と、名前に価値を見出して、じっくりと見てしまうんです。キートンと知っていればこそ、このシーンもおもしろく見えてくるのですから、名前というのは不思議なものです。今回はそんなことを思いました。

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