スパイダーマン2 (レビュー)
最近のシリーズものは、続編の方が1作目よりも面白いパターンが増えてきましたけど、「スパイダーマン2」も1作目を上回る傑作に仕上がっています。 スパイダーマンをヒーローとして描くことよりも、その正体ピーター・パーカー青年の悩みにスポットを当てたところが泣かせます。ヒーローとはいえ、かっこいいのは見せ掛けだけで、正義の味方の振りをしているだけにすぎません。中身は普通の学生。ピーター・パーカーには生活があるのです。お金は自分で稼がなければなりません。スパイダーマンの衣装を洗濯している姿が実にみじめです。スパイダーマンになるたびに、自分の生活が疎かになってしまい、バイトをクビになったり、恋人に振られたりします。どうしても金が欲しいから自分で自分のゴシップ写真を撮ったりして、もうその人間臭さがたまりません。自分とヒーローの板挟みがおもしろいのですが、それゆえに、スパイダーマンになったときの活躍ぶりは胸がすっとします。 今回の敵は凄いですよ。タコみたいな足が凄い勢いで動いて、あの映像は、生理的にかなり気色悪いです。人を襲うシーンなどホラー映画ばりに痛覚を刺激されます。この敵とスパイダーマンの一騎打ちは本作最大の目玉です。両者とも体が鋼鉄のように硬くて、その上すばしっこいです。このド派手な肉弾戦を見て、日々の生活の疲れを癒してください。(★★★★1/2)