100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


ジョン・ウィリアムズ (巨匠の歴史)

映画界のベートーベン
John Williams(1932~)
   今回の<巨匠の歴史>では、映画音楽作曲家のジョン・ウィリアムズを特集する。

●スピルバーグ映画の作曲家
 ジョン・ウィリアムズの音楽は素晴らしい。ただ単に映像とマッチしているのではなく、映像と上手い具合に相乗効果しあって、映画そのものを盛り上げている。フルオーケストラ編成の堂々たる音楽は、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、オリバー・ストーンを虜にした。中でもスピルバーグは好んで彼を起用し、数々の名作を作っていった。スピルバーグがいうには、「自分の作品では人を感動させる一歩前までしか行けない。ジョン・ウィリアムズの音楽は、そのもう一歩を歩ませてくれる」

●何といってもダイナミック
 ジョン・ウィリアムズは映画のために生まれてきた作曲家である。ときにはオリンピックのテーマなどを手がけたこともあったが、やはり本職の映画音楽を書かせて右に出るものはいない。
 彼の作風はとにかくダイナミックなこと。「スター・ウォーズ」のオープニングの"♪ジャーン!"などは、今聞いてもゾクゾクするし、若者の興奮とロマンに満ちている。そして「E.T.」のあの美しいテーマ曲。「E.T.」が名作となり得たのは、彼の音楽があったからこそだと断言したい。

●スリリングな演出も得意
 恐怖音楽を描かせても、なかなかのものだ。かのアルフレッド・ヒッチコックの作品を担当した経験も持っているが、本格的に音楽で恐怖を演出するようになったのは、やはり"♪ジャージャン"の「ジョーズ」だろう。あの有名な音楽を知らない人など、いないはずがないだろう。「インディアナ・ジョーンズ・シリーズ」や「ホーム・アローン」などでもスリリングな音楽を作曲しているが、彼の場合、スリルさの中にエキサイティングな楽しさもあるのだ。

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