エド・ハリス (今週のスター)

この落ち着きぶりは真似できない
先週テレビで「スターリングラード」(00)をやっていたのを見て、改めてエド・ハリスのかっこよさにしびれた。物静かで、本当にかっこいい俳優だ。今人気の俳優の中では、僕は誰よりもエド・ハリスに男のダンディズムを感じる。エド・ハリスで最も人気のあるのは軍服姿なだけに、「スターリングラード」は彼の魅力が最大限引き出された作品だと思う。ジュード・ロウもかっこいいけど、エド・ハリスの男前には喰われまくりだ。
 「アポロ13」(95)の管制官、「トゥルーマン・ショー」(98)のTVプロデューサー、「僕はラジオ」(03)の心優しい先生など、脇役ばかりというところも好きだが、珍しい主演作「アビス」(89)では、とても妻想いだったのが泣かせた。「アビス」は僕が映画好きになる以前からビデオで何度も繰り返し見ていただけに、思い出ぶかく、エド・ハリス演じる主人公の人間性に子供心にとても共感していた。「ポロック」(00)では画家ポロックを演じたが、手の動き、絵を描いているときの表情など、本物以上に本物っぽかったと評判である。この他に「ナイトライダーズ」(81)というカルトな映画にも主演している。
 エド・ハリスのあの落ち着きぶりは、演技とはいえ、そう真似できるものではない。いい意味で「クール」とはこのことか。あの立派な広いおでこ。向こうじゃ髪の毛の薄さはほとんど問題ないってことだな。いやむしろその薄さがかえって気高く、渋いのかもしれない。
 セクシーなポイントは透き通った目。イヤミがなく、とても優しそうである。それでいて「理由」(95)のような怖い役や、「ミルク・マネー」(94)のような可愛いオヤジ役もそつなくこなす。どんな役も常に熱演し、「めぐりあう時間たち」(02)ほか、アカデミー賞ノミネート回数多し。クールを売りにした先人たちとは明らかに性格が異なり、しゃきっと背筋を伸ばして、すごく聡明な印象がある。僕もこんな男になりたいぞ!

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