ウディ・ストロード (今週のスター)

 正直言うと、この人は顔は知っていたけど、名前は知らなかった。僕がこの人の名がウディ・ストロードだということを知ったのは、この記事を書く一週間前のことだ。こんなに良い役者なのに、今まで名前も知らなかったのはシネマディクトの名が廃るな。
 たしかにこの人は昔の映画でチョイ役でよく出ていた。どの役も「黒人A」みたいな名無しの役ばかりだけど、なかなかインパクトはあった。一世紀前から進化していないような顔つきから、現代ものよりは西部劇に多く出演していた。昔はプロレスラーなど色々と肉体スポーツで活躍したそうで、身長は2メートル弱で、体の形も整っている。そしてあのギラギラした目つき。ひょっとしたら60年代もっともセクシーな男優の一人かもしれない。かくしてストロードは60年代の黒人俳優の鏡として、「バファロー大隊」(60)、「リバティ・バランスを射った男」(62)、「プロフェッショナル」(66)、「ウエスタン」(68)などに出演した。一番のオススメは「スパルタカス」(60)。スパルタカスと生死をかけた決闘ショーを披露する。スパルタカスが短剣と盾で戦っていたのに、ストロードは三叉槍と網で戦っていたのがかっこよく、そのシーケンスは圧巻であった。
  遺作は「クイック&デッド」(95)。やはり西部劇がよく似合う。

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