100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


ウッディ・ウッドペッカー (今週のスター)

ミッキーやトムとジェリーよりも面白い
【漫画映画誕生までの背景】アメリカの漫画映画キャラクターの歴史は、アメリカのメジャースタジオの歴史でもあった。メジャースタジオの競争は激しく、それぞれの会社がスターを所有し、独自のスタジオカラーを打ち出して、他のスタジオに負けぬよう、素晴らしい傑作を生産していった。各スタジオの激烈な市場争いが、数多くの名作を生む結果となったのだ。子供向けの漫画映画は、多くの客を引きつける戦力商品であった。そのため、スタジオ・システムが栄華を極めた1920年~40年ごろ、各社がこぞって人気の漫画映画キャラクターを生み出した。漫画家が漫画を描くのではなく、スタジオのプロデューサーが製品としてキャラクターを企画するわけである。パラマウント・スタジオはフィリックス・ザ・キャット(猫)を生産(1919黒白無声)、ウォルト・ディズニー・スタジオはミッキーマウス(鼠)を生産(1928黒白)、ワーナー・ブラザーズ・スタジオはバックス・バニー(兎)を生産(1938)、ユニバーサル・スタジオはウッディー・ウッドペッカー(鳥)を生産(1940)、MGMスタジオはトムとジェリー(猫と鼠)を生産(1941)した。これらの有名キャラクターは、60年以上もその人気を不動のものにしてきたエリートたちだ。
【ウッディーの映画について】筆者がとにかく一番気に入ってるキャラクターが「ウッディー・ウッドペッカー」である。ユニバーサル・スタジオのプロデューサー・ウォルター・ランツが生み出したいたずら好きのキツツキである。あの世界一憎ったらしい笑い声(文章ではとても表現不可能)は、誰しも一度は聞いたことがあるだろう。ミッキーマウスはいまひとつパンチに欠ける。トムとジェリーはドタバタがあざとい。バックス・バニーはナンセンスすぎてピンとこない。ところがウッディー・ウッドペッカーはいつも意表を突くわかりやすいギャグで、そのセンスには、笑う以前に、思わず「お見事!」とうなってしまう傑作ばかり。登場人物達のアクションが気持ちよくぴしっと決まっており、前のアクションから後続のアクションへとスムーズにつなげていく段取りには毎度のこと驚かされる。ウッディーはどんなときも臨機応変。頭良過ぎです! ウッディーの映画は、肝心のスター・ウッディーが一度も登場しないエピソードなどもあり(ペンギンの相棒チリー・ウィリーって奴がまた可愛いんだ)、作品ごとに一人称の人物が変わるのも特徴だ。 キツツキらしく、どこか尖ったような作風も見所。大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンのメイン・キャラクターでもある。

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