100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


それでもなぜ創作を続けるのか? (コラム)

それでもなぜ創作を続けるのか?



 絵を描いたり、小説を書いたり。あなたは創作が好きですか? あなたは何のために創作を続けるのですか? 友達に見せびらかすためですか?
 映画を作っている人たちは、何が目的で映画を作るのでしょうか。お金のためかもしれませんが、理由は他にもあるはずです。
 映画なんて、一本作るのにどれだけの手間暇をかけているか。1年がかりで作っても、観客に見てもらうのはたったの2時間です。もっとじっくり見てくれよ、と言いたくなるかもしれませんが、観客は作り手の苦労など知るよしもありません。それでも映画作家たちはたっぷりと時間をかけて映画を作ります。
 監督自身、なぜ自分が映画を作るのか、よくわかっていないかもしれません。愛と同じで、明確な理由もわからずに、創作を続けているのです。
 当たり前すぎて答えになってないかもしれませんが、人が創作を続ける理由は、自分のやりたかったことを実現させるためじゃないかと僕は思うんです。たった2時間の映画を作るために何年も苦労を背負えるのは、実現したいという欲求が起爆剤になっているからではないでしょうか。「すげぇ映画を作って皆を驚かしてやるぞ」と思えば、自然と力もみなぎってくるものです。自分がどれだけ苦労したか、全部はわかってもらえなくとも、出来上がった作品をたった2時間だけでも、人々が楽しんでくれたのなら嬉しいものです。自分の作った作品を見てもらうのは快感です。この気持ちはプロもアマも同じはずです。


 常に映画の中で自己主張していたチャールズ・チャップリンは「映画を作ることは私にとって人生そのもの」と言いましたが、彼が言うように、創作することは、根本的には自分のためにあるような気がしています。よくいう「ロマンを求めて」とはこのことですかね。「すげぇ映画を作って皆を驚かしてやるぞ」という気持ちも、他人のためというより、自分のためのものだと思っています。
 僕がこう思うのは、僕が自己中心的な男だからでしょうか? 僕がこのホームページの更新をやめないのも、自分のためですが、この気持ちは誰にでもあると思っています。切手好きの人が切手を集めるのも、サーファーが週末サーフィンに出かけるのも、女の人がじっくり時間をかけてオシャレするのも、みんな同じことです。
 僕が映画を好きなのは、映画作家のそうした気持ちが映画の中から感じ取れるからです。

オリジナルページを表示する