100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


映画館で見るかビデオで見るか (コラム)

映画館で見るかビデオで見るか



 映画を映画館で見るか、ビデオで見るか。この長所短所については、色々な所で論じられてきたことである。
 僕はビデオ鑑賞から始まった。僕が映画を好きになったのは17歳のときからだが、あのころは浴びるように映画を毎日見ていたものである。かりに、僕が映画館派だったとしたら、僕はこれほど映画を好きにならなかったかもしれない。映画館の場合、場所の問題、スケジュールの問題、金銭的問題と、障壁が多すぎて、せいぜい一週間に2本見るのが限度。その上、新作映画ばかりで、古い映画を知る機会も得られなかっただろう。
 ビデオの短所は、映画ニュースの話題についていけないこと、映像が小さくて粗いこと、音に迫力がないこと、などがあげられるが、最近は進歩したもので、ビデオテープに代わって人気急増のDVDは、プロジェクターで引き延ばして見ても粗さがさほど目立たず、5.1chのスピーカーシステムをそろえれば、映画館以上の迫力ある音響が楽しめてしまう。僕も今年念願のホームシアター・セットを購入し、今は映画館に負けない映画鑑賞ライフを満喫中だ。
 ビデオの良いところは、好きなときにリラックスして見られること。僕は映画鑑賞中、必ずお菓子を欠かさない。昔はサラダ煎餅、今は柿の種がお気に入りだ。これがうまい。こうなるとお菓子を食べることも映画鑑賞の一部になっている。とにかく、家の中では誰にも迷惑をかけないから、何をやってもいい。途中で一時停止するもよし、泣けるシーンで臭い屁をこくもよしだ。


 映画館に行く理由については、「デートでのムードづくり」という人もいるだろうし、「他人の反応も見たいから」という人もいるだろう。単純に、「映画館の雰囲気が好きだから」という人もいる。映画館で上映中の作品は、雑誌やテレビなどでも話題が同時進行しているため、その流行に乗りたくて見に行くというのもありだ。
 映画館のデメリットの中で、もっとも手痛いのは金額。やはり1,800円は高い。1,800円もあれば、レストランでけっこう良い物が食える。1本で1,800円でなく、1人で1,800円というのがポイント。あたりまえだが、2人だと3,600円である。家族で行こうものなら、軽く5,000円を超えてしまう。ビデオレンタル1本500円と考えても10倍も違う。こうなると、DVD発売を待った方が安上がりな気がしてくる。
 しかし、高価であることこそ、映画館の一番良いところともいえる。よそ行きの格好をし、わざわざ映画館まで出向いて、さらに1人1,800円の出費。幕が上がり、照明が落とされ、さあ開始。弥(いや)が上にも気持ちが高ぶるってもの。このワクワクこそ、映画館で映画を鑑賞する最大の楽しみであろう。だから人は映画館に足しげく通う。
 最後に、映画が期待はずれだったとき、その不満をどう言葉で表現するか。これは、映画館派の人とビデオ派の人とで、その傾向が違っている。映画館派は「時間返せ」「金返せ」と言い、ビデオ派は「眠かった」「途中でやめた」と言うのである。おかしなものだ。

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