100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


テーマパークの中の映画館 (コラム)

テーマパークの中の映画館

 毎年たくさんの客が訪れるテーマパークには、いろいろなアトラクションがある。絶叫マシーン、ゴンドラ、蝋人形館など、あれやこれやと様々なアイデアで客を喜ばせる。だからもちろん大抵のテーマパークには「映画館」がある。それもちょっぴり変わった映画館がね。

 テーマパーク内にある映画館は、言ってしまえば見世物。映画のストーリーなどは二の次で、要は「どういう形で上映するか」である。

 東京ディズニーランドでは「キャプテンEO」が上映されていた。これはルーカスとコッポラが作った3DのSFミュージカルであった。何も知らない観客は、飛び出す映像を見てびっくり。今となっては、どこのテーマパークに行っても3Dの映画館がある。

 長崎ハウステンボスには360度円筒状スクリーンに囲まれた映画館があった。タイムスリップして過去や未来を旅する映画だったと思う。カメラはほとんどがポイント・オブ・ビューで撮影されていた。後ろを振り向くと、ちゃんとそこに背景があったことに大感動したものである。映画に感動したというより、そのシステムに感動したという方が正しいけどね。

 福岡スペースワールドにはIMAXがあった(写真)。これは今もある。画面がバカでかいということを除けば、あとは至って正統的な上映スタイルであり、座席が揺れるなどの小細工は一切ない。7階建てのビルに匹敵する巨大スクリーンでみる宇宙の映像にはもう溜め息。スペースシャトルのディテールもかなりきめ細やかで、映画そのものもユニーク。大きさだけでなく、美しさと内容にも凝った、他のIMAX作品とは一線を画す大傑作である。僕はこれを初めて見たときの興奮を、今も昨日のことのように覚えている。

 果たして、これらの見世物を、普通の映画館で上映されている映画と一緒にしていいのだろうか?
 僕の中では、これらもレッキとした映画のカテゴリーのひとつだと考えている。ストーリーにこだわる映画が多い中、上映システムの珍しさをセールス・ポイントとする映画は、「映画」とは何かを別の角度から考えさせる刺激となる。最近IMAXで「美女と野獣」が上映されたのは、いい勉強になった。

  テーマパークの映画は年々パワーアップし続けている。頼もしいことではないか。インタラクティブな映画、バーチャルな映画など、想像を絶する上映システムが今後我々の前に現れる日も近い。未来の映画は、案外テーマパークの商業精神が鍵なのかもしれない。

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