100年前のクラシック映画から映画史を読み解く


久々にテレビを見て大興奮 (コラム)

 

 ついに僕も東京に引っ越して、新しい人生をスタートしようとしている。
 僕が東京に来て、一番関心を抱いたのは、何を隠そうテレビだ。意外に思うかもしれないが、僕は引っ越す前までは狭いアパートでテレビのない生活をしていたので、実は7ヶ月間もテレビを全く見ていなかったのである。よく考えたら、それ以前もずっと忙しくてテレビを見る機会がなかったから、もう2年間も見てなかったかもしれない。このブランクは、長いようで僕にとってはすごくアッという間だったのだが、今日久しぶりにテレビを見てみて、驚いたというか何というか・・・。とにかく目が離せない。バラエティ番組が面白いということはここに書くまでもないけど、ニュースもスポーツもドラマも歌番組もCMも非常に興味深いではないか。

 僕はちょっと前までは、暇があれば必ずテレビを見ていたので、自分はてっきりクラス一のテレビッ子だと信じていたのだが、そうでもないみたい。本当はみんながテレビッ子だった。少なくとも僕の友達はみんな一日中テレビを付けっぱなしだ。どうやらテレビは「見ていて当然のもの」、もっと大袈裟に言えば「見なければいけないもの」なのらしい。だから見なかったら次の日の話題に加われなくて、疎外された気になることもある。それがますます現代人をテレビッ子にしているのだが、今思えば、話題がどうのこうのという以前に、この内容の充実ぶりならテレビッ子にならない方がおかしいってものだ。そりゃ低俗な番組もあるが、チャンネルは民放だけでも4つもあるのだし、いつテレビをつけてもどこかで必ず面白い番組をやっている。だから一度テレビの前に座ると、二度と席を立てなくなってしまう。

 僕なんかは久しぶりにテレビを見て、もう大興奮している。いかなるときもテレビから目が離せなくなってしまった。恥ずかしながら、今日は朝から晩までずーっとテレビを見ている。かなりだらしのない人間になったかも。今の僕はテレビを見ることで忙しいのだ。

 昔はテレビなんて何も考えずにボーっと見ていたが、映画鑑賞が趣味になってからは、テレビを見るときもかなり映画的なことを意識してしまうようになった。
 久しぶりに「サザエさん」を見て、1つのエピソードはたった10分間にも満たないのに、そのストーリーテリングの巧妙さに今頃になってぶったまげたり、僅か15秒間のCMという広告映像の演出のユニークさに腰が砕ける思いをしたり、ためになる番組を見て「なるほど~」とうなったり、とにかく驚きの連続だ。
 テレビドラマも見たが、映画の巨大スクリーンの迫力には到底敵わないと思っていたのに、テレビの制約である画面の小ささを逆に利用して作り出したオリジナリティ溢れる映像に感心させられた。ドラマ1話だけでも映画1本分の価値がある。
 テレビなんて、ちょっとでもつまらないとすぐにチャンネルを変えられてしまう世界だし、ひょっとすると映画よりもシビアかもしれない。映画監督を目指す僕としては、「たかがテレビ」と思っていたこのメディアの実際を見て、自分という人間がちっぽけに思えてきた。テレビのレベルの高さには、ただただ溜息がでるばかりだった。

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