ホームページについてのあれこれ (コラム)

 

 ホームページを持っている人たちは、いったい最初はどんな動機があってそれを始めたのだろうか。何か大きな目標があって始めたのか、それともちょっとした好奇心で始めたのか。それはさまざまだろう。決してそうとはいえないが、後者の方は途中でやめてしまうことが多いように思える。

 僕がホームページを開設した理由は「映画の本を出版したかった」「映画関係者とコネを作りたい」。これが本音である。
 開設してからは、このサイトを映画ファンなら誰でも知っているサイトにするという夢もできた。

 インターネットを始めて一番面白いと思ったのが、人とのコミュニケーションである。掲示板やメールがこんなに面白いものだとは知らなかった。僕は最初は自分の記事をみんなに見てもらいたい一心しかくて、とにかく記事を書くことに集中していた。当然のこと当時はネット初心者だったし、BBSというのが何かも知らなかった。でも、掲示板もあった方がいいと聞いていたので、適当に設置してみることにした。始めてみると、これが一番面白いではないか。初めて書き込んでもらったときに、心臓がドキドキしたのを今でも覚えている。掲示板で何より嬉しいのは、見てもらっているという実感が得られることだ。

 しかし妙な感じがした。今までは人とコミュニケーションをとるときは、必ずアイコンタクトで会話をしていたのに、ネットを始めてからは、毎日顔の知らない人たちと会話をしている。これはとても不思議な気分である。

 会話している相手のことについては、こちらは何も知らない(向こうもこっちを知らないね)。性格もよくわからないし、年齢だってわからない。そして、性別ですら確信を持てない。また、相手が死んだとしても、こっちにはわからないだろう。もしかしたら俺の母ちゃんが名前を偽って掲示板に遊びにきているかもしれない。でも、そんな大嘘でさえも、ネットではわからないのである。

 最近よく思うんだけど、やっぱり実際に人と会って会話する方が面白い。文章だけでは相手の「存在」を実感することができない。ネットの可能性は巨大だが、閉ざされたイメージがする。最近は僕も忙しいから、友達と会う暇がなく、パソコンで遊んでいる時間の方が多くなったのだが、やっぱり生身の人間と会話している方がずっと楽しい。オフ会してつくづくそう思った。そういえば僕の趣味は「会話」だったんだ。

 ネット界で成功したとしても、顔も知らない成功者の実体に世間は期待するだろうか? 世間は管理人が普段どういう生活を送っているのか、さほど興味を持たないであろう。サイトがいくら有名になっても、そのサイトの管理人を認めてくれる人はいない。もしそれが真理だとしたら、サイトを続けていくことに意義があるのか、悩むところである。これはホームページを持つあなたも悩んだことがあるだろう。

 色々考えたが、やはりサイトには意義がある。自己満足かもしれないが、管理人たちは皆、自分の存在証明をしているような気がする。映画サイトだけでも山ほどあるが、中には、掲示板の有無に関わらず、オフ会しているときと同じような体温の温もりを感じさせるサイトだってある。そういったサイトの管理人たちは、自分のサイトをとても価値あるものとして捉えているに違いない。

 今僕が目指しているところは、そこである。自分にとっても、他人にとっても、このサイトを意義のあるものにしたい。

 今回もまた映画と関係ない自分のことを書いてスマンです。その名も「身勝手コラム」だから許して。最近の僕はどうやら投げやりになってきたみたいなので、しっかりしなくちゃいかんなという意味でも書きました。

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