秘密のかけら (シネマガプレス)
「秘密のかけら」
Where The Truth Lies
2005年 カナダ・イギリス・アメリカ合作
配給:ムービーアイ
監督・脚本:アトム・エゴヤン
原作:ルパート・ホルムズ
製作:ロバート・ラントス
出演:ケヴィン・ベーコン、
コリン・ファース、
アリソン・ローマン
12月23日シャンテ シネほか全国ロードショー
ストーリーなど詳しい内容は下記サイト参照
http://www.himitsu-kakera.jp/
50年代から70年代までの長い事件を追ったミステリー映画だが、ミステリー物は作るのが難しいのか、毎年優れたミステリーというのはだいたい1本くらいしか製作されないものだ。となると、今年のミステリー・オブ・ザ・イヤーは「秘密のかけら」に決まりといっても良いことになる。出演者のケヴィン・ベーコンとコリン・ファースは50年代のテレビの人気凸凹コンビという設定だが、貫禄を備えた演技ぶりで、2人のキャリアにとっても、今後記憶に残る作品になっただろう。「ビッグ・フィッシュ」のアリソン・ローマンは童顔だが日本人が好きそうな顔つきで、柔らかそうな肌など何ともいえない色気があり、間違いなくこれが彼女の代表作となったはずだ。全体的に見て、1シーン1シーン時間をかけてとても丁寧に作り込まれた様子がうかがえる。ストーリー展開は涙と感動を備えて申し分ない出来栄えだが、映像の色遣いもすこぶる美しく、50年代から70年代のセットの再現、ロサンゼルスの眺望、ホテル、豪邸などの造形など大変なボリュームで、見応えがある。
ある意味、禁断の世界に入った映画。ドラッグや同性愛描写など、ドロドロした内容を求めているのなら楽しめるだろうが、単に芸能界内幕ミステリーと思ってなめてかかると話に追いつけなくなる。たった一人の美女が、裏側を暴いていく様がちょっとおっかなびっくり。芸能人なんてテレビの裏ではあんなこともこんなこともやってるのかと改めて実感させられるその汚さも含めて観賞されたし。時代がちょうどサイケデリック全盛のころを描いているためか、一部サイケ調の映像も見られる。そのラリった感覚について行けるかどうかが作品の価値を判断する決め手となる。劇中使用されている音楽もファンカデリック、マハヴィシュヌ・オーケストラ、サンタナ、ロキシー・ミュージックなど、まさにサイケ全盛の音楽ばかり。音楽マニアにしかわからない渋い選曲にはニヤリ。ミステリーでありながら、いまいち「なるほど」とうならせる結末の説得力が足りないのは痛いが、芸能界内幕物のフィルムノワールとして見れば十分に楽しめるオススメの1本。
Where The Truth Lies
2005年 カナダ・イギリス・アメリカ合作
配給:ムービーアイ
監督・脚本:アトム・エゴヤン
原作:ルパート・ホルムズ
製作:ロバート・ラントス
出演:ケヴィン・ベーコン、
コリン・ファース、
アリソン・ローマン
12月23日シャンテ シネほか全国ロードショー
ストーリーなど詳しい内容は下記サイト参照
http://www.himitsu-kakera.jp/
50年代から70年代までの長い事件を追ったミステリー映画だが、ミステリー物は作るのが難しいのか、毎年優れたミステリーというのはだいたい1本くらいしか製作されないものだ。となると、今年のミステリー・オブ・ザ・イヤーは「秘密のかけら」に決まりといっても良いことになる。出演者のケヴィン・ベーコンとコリン・ファースは50年代のテレビの人気凸凹コンビという設定だが、貫禄を備えた演技ぶりで、2人のキャリアにとっても、今後記憶に残る作品になっただろう。「ビッグ・フィッシュ」のアリソン・ローマンは童顔だが日本人が好きそうな顔つきで、柔らかそうな肌など何ともいえない色気があり、間違いなくこれが彼女の代表作となったはずだ。全体的に見て、1シーン1シーン時間をかけてとても丁寧に作り込まれた様子がうかがえる。ストーリー展開は涙と感動を備えて申し分ない出来栄えだが、映像の色遣いもすこぶる美しく、50年代から70年代のセットの再現、ロサンゼルスの眺望、ホテル、豪邸などの造形など大変なボリュームで、見応えがある。
ある意味、禁断の世界に入った映画。ドラッグや同性愛描写など、ドロドロした内容を求めているのなら楽しめるだろうが、単に芸能界内幕ミステリーと思ってなめてかかると話に追いつけなくなる。たった一人の美女が、裏側を暴いていく様がちょっとおっかなびっくり。芸能人なんてテレビの裏ではあんなこともこんなこともやってるのかと改めて実感させられるその汚さも含めて観賞されたし。時代がちょうどサイケデリック全盛のころを描いているためか、一部サイケ調の映像も見られる。そのラリった感覚について行けるかどうかが作品の価値を判断する決め手となる。劇中使用されている音楽もファンカデリック、マハヴィシュヌ・オーケストラ、サンタナ、ロキシー・ミュージックなど、まさにサイケ全盛の音楽ばかり。音楽マニアにしかわからない渋い選曲にはニヤリ。ミステリーでありながら、いまいち「なるほど」とうならせる結末の説得力が足りないのは痛いが、芸能界内幕物のフィルムノワールとして見れば十分に楽しめるオススメの1本。