2006年殿堂入り発表 (映画史博物館)

ドン・チードル
「ホテル・ルワンダ」「クラッシュ」
≪ワンポイント≫ 2006年は一言で言えば社会映画の1年。その中でも忘れてならぬのが実話をもとにした『ホテル・ルワンダ』だ。「こんなことがあったのか」と息を呑む映画。ドン・チードルの演技は、まさに身に差し迫る命の危険をまざまざと感じさせるものだった。
フィリップ・シーモア・ホフマン
「カポーティ」「M:i:III」
≪ワンポイント≫ 伝説的な作家トルーマン・カポーティを演じ、アカデミー賞にノミネート。喋り方も思考回路もちょっと独特だが、その天才的な奇人ぶりをユーモラスに演じた。一方、ブロックバスター映画の悪役にも抜擢され、この年最も名を上げた俳優になった。
シャーリーズ・セロン
「スタンドアップ」「イーオン・フラックス」
≪ワンポイント≫ この女優のこと、かなり見くびっていたようだ。ただの清純派かと思っていたら、いや彼女はどんな役でもできる演技派だったんだなあ。主演作2作の出来はまあまあだが、女性差別と戦う強い女と、アクロバチックなヒロインを体当たりで演じ晴れて殿堂入り。
≪2006年の映画の出来事≫ この年のビッグニュースは、パラマウントがドリームワークスを買収したことと、日本映画が21年ぶりに洋画の興行収入を上回ったことである。日本映画がでは『ゲド戦記』、『海猿』、『THE有頂天ホテル』、『日本沈没』、『デスノート』がヒット。一方、『フラガール』、『かもめ食堂』など、単館系の映画が健闘した。洋画では『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『ハリー・ポッター』、『ミッション:インポッシブル』シリーズが依然人気が高いが、『ダヴィンチ・コード』がヒットし、日本ではちょっとしたダヴィンチブームになったものだった。キネマ旬報では戦争を日米それぞれの視点に立って描く『父親たちの星条旗』、『硫黄島からの手紙』の<硫黄島2部作>が上位を独占し、クリント・イーストウッド様々だったが、アカデミー賞は『クラッシュ』が獲得した。

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