メディアとしての映画 (映画史博物館)

メディアとしての映画

   



 映画はマスメディアのひとつである。

 確かに、テレビのなかった時代、ニュース・フィルムは全盛だった。ところが、ニュース・フィルムが廃れた今でも、映画は十分に情報性を持っている。

 新聞ほど信頼感は持てないし、テレビやラジオほど情報が早いわけではない。しかし、最もユニークな形で、情報を伝達することができる。それが映画のもうひとつの醍醐味である。

 我々は映画を見て人生を学び、分別を手にしていく。それは、映画作家の伝えたいテーマがつかめた証である。映画を見て我々は作り手の主張を受け取ることができる。

 それは教訓的であったり(ドラマ・フィルム)、観察的であったり(ドキュメンタリー・フィルム)、政治的であったり(プロパガンダ・フィルム)、商業的であったり(コマーシャル・フィルム)、芸術的であったり(アート・フィルム)、言いたいことは様々である。

 しかし、情報をありのまま伝える新聞やラジオのニュースに比べたら、ともすればそのメッセージは最も説得力のあるものかもしれない。その証拠に、戦争を最もわかりやすく知ることができるメディアは映画である。それも主観の入った批判的メッセージのもとに描かれているので、教育にもしばしば使われる。

 映画は今後も最高の芸術、最高の娯楽、そして最高のメディアとして、我々の生活を豊かにしていくのだ。

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