芸術としての映画 (映画史博物館)

芸術としての映画

  

 映画は生まれたての頃、単なる見せ物でしかなかった。

 列車が近づいてくる。男女が笑う。ただ写真が動くだけで、世間を感動させた。しかし、それだけでは物足りなかった。 そして、映画はいつしかドラマになった。

 最初は、日常の何気ない出来事をドラマにしただけだった。上映時間も数分だった。観客を何十分を座らせておくのはとんでもないという考えだった。

 しかし、しだいに上映時間は増していった。それと同時に、ドラマ性も増した。世間はキーストン映画社のスラップスティック・コメディに大笑いし、ジョルジュ・メリエスのトリック映像に驚いた。

 そして現れた。D・W・グリフィスである。彼は偉大だった。彼は映画を変えた。彼は世間を振り向かせた。グリフィスは、映画の文法を確立し、撮影における技術のすべてを開拓していった。今いる映画作家は皆グリフィスの影響下にある。彼が手がけた大長編「国民の創生」は、映画芸術の草分けであった。

 以後、あらゆる作家たちが映画の芸術性を引き出していった。そしてようやく映画は第8芸術として認められたのである。
 

七芸術
映画は芸術の中の芸術である。まさに総合芸術であり、最高の芸術表現である。
 

文芸 映画は、文芸のような文学性を持っている。
映画には、文芸芸術を見せつけるシナリオが登場する。
音楽 映画は、音楽のようなメロディを持っている。
映画には、音楽芸術を見せつける音響が登場する。
絵画 映画は、絵画のようなイメージを持っている。
映画には、絵画芸術を見せつける映像美が登場する。
演劇 映画は、演劇のような形式を持っている。
映画には、演劇芸術を見せつける役者が登場する。
建築 映画は、建築のような構築美を持っている。
映画には、建築芸術を見せつけるセットが登場する。
彫塑 映画は、彫塑のような表現力を持っている。
映画には、彫塑芸術を見せつける小道具が登場する。
舞踊 映画は、舞踊のようなリズム感を持っている。
映画には、舞踊芸術を見せつけるダンス・シーンが登場する。
この他、装飾芸術・写真芸術などの要素も映画は含んでいる。

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