次世代DVD、ブルーレイ・ディスクを体験する (特別企画)

今、時代はフルハイビジョン
「次世代DVD、ブルーレイ・ディスクを体験する」
プレステ3とパソコンのモニターを接続してフルハイビジョンの映像を見てみよう

 2年前くらいから「次世代DVD」というものが何かとニュースのネタになっていた。旧DVDに代わる新しい記録メディアで、映画1本が1枚に高精細(HD)のフルハイビジョン画質で収録できるものだ。当サイトでもこのことについては過去に何度か触れたことがあった。規格が東芝の提唱する「HD DVD」とソニーの提唱する「ブルーレイディスク」の2つが同時期に発表され、あれやこれやの挙げ句、両者は戦うことを選択。去年から両者のプレーヤー、レコーダーが続々と投入されたが、まだまだ敷居が高く、「しばらく様子見」という人がほとんどで、中には「今のDVDで十分満足」という声もあった。日本の過去の電気製品の販売傾向では、どちらかが倒れることはまず間違いないが、そもそも次世代DVDがなぜ注目されているのか? そこで、今回の特別企画では皆さんにブルーレイディスクの映像を少し体感してもらいたいと思う。

 旧DVDが出てきた頃を思い出して欲しい。当時はDVDなんて、貧乏な僕には手の届かない世界だった。VHSで十分満足していた。そんなとき、プレイステーション2(PS2)が発売された。これはDVDも再生できるゲーム機だった。すべてのきっかけはこのゲーム機にあったと思う。まさにPS2効果で、一気にDVDが普及していった。僕もPS2のお陰でやっとDVD再生環境を得ることができた。最初DVDのその美しい映像を見たときには目ン玉が飛び出るほど驚いたもんだ。しかも音も良かった。かさばるVHSなんてもうお払い箱だと思った。あれから数年後、今ではレンタルビデオショップに行ってもVHSは見あたらず、ほぼ全部DVDにとってかわっている。

 ならば次世代DVDの鍵も、ゲーム機が握ってるんじゃないだろうか? その推測はまんざらハズれてはいないと思う。HD DVDを支持するマイクロソフトはゲーム機XBOX360をHD DVD対応とした。そしてソニーのプレイステーション3(PS3)にはブルーレイディスクドライブが始めから実装されることが決まった。PS3は下位機種モデルが約5万円。ゲーム機としては信じられない高額ハードとなった。もはやPS3はゲーム機というよりはブルーレイディスクプレーヤーと思ってもらってもいいのではないかと思う。フルハイビジョンにも対応しており、ゲーム機としては、ぜいたくすぎるハイエンドマシンになっている。XBOX360のHD DVDはオプションだが、PS3は最初からフルハイビジョン映像が楽しめるので、まだフルハイビジョン映像を体感していない映画ファンなら買っても損はない。今のところゲーム機では画質が一番劣る任天堂のWiiが最も売れていることからもわかるように、一般ユーザーはさほど画質の綺麗さにはこだわっていないようだが、フルハイビジョンは体感しなきゃ損だぞ。


今回使用した機器


ソニー/プレイステーション3
ブルーレイディスクドライブを搭載した家庭用ゲーム機。上位機種なら実売6万円。ゲーマーには高すぎと敬遠されがちだが、映画ファンにとってこの価格はうれしい。

 


ベンキュー/FP241W
世界初HDMI端子を搭載したフルHDディスプレイ。チューナーなし、スピーカーなしでもいいのならテレビよりも安くフルハイビジョン環境が得られる。
 




従来のテレビ画質
映画:ソニー/バイオハザードIIアポカリプス
BDプレーヤー:ソニー/プレイステーション3
モニター:BenQ/FP241W
映像入出力端子:コンポジット
解像度:480インターレース

撮影カメラ:ニコン/D70
シャッタースピード:1/8秒
絞り:F4.5
感度:ISO200
照明:室内電球の明かりのみ

※モニターのフルサイズ1920x1200ピクセルにコンバートした映像を撮影。その写真をphotoshopで450x200ビクセルに縮小し色合いを調節したものが左の画像となる。もっと見たいという方はこちら。




フルハイビジョン画質
映画:ソニー/バイオハザードIIアポカリプス
BDプレーヤー:ソニー/プレイステーション3
モニター:BenQ/FP241W
映像入出力端子:HDMI
解像度:1080プログレッシブ

撮影カメラ:ニコン/D70
シャッタースピード:1/8秒
絞り:F4.5
感度:ISO200
照明:室内電球の明かりのみ

※モニターのフルサイズ1920x1200ピクセルにコンバートした映像を撮影。その写真をphotoshopで450x200ビクセルに縮小したものが左の画像となる(色合いは未調整)。もっと見たいという方はこちら。





 普通にアナログのブラウン管で見ても(解像度が720×480のインターレースに落ちる)、DVDとブルーレイの差は一目瞭然だった。一度ブルーレイディスクの映像を見てしまうと、これはもうDVDなんか見られたものじゃない。次にウチの愛用のプロジェクターを使って、大画面で見てみた。ウチのプロジェクターは720p(解像度が1280×720のプログレッシブになる。「ハイビジョン」とだけ謳っている製品はたいてい720pまでしか対応していない)だが、今までのDVDが嘘みたいで、ブルーレイディスクの映像美に興奮しすぎて思わず鼻息が荒くなった。ウチのプロジェクターがこんなに高性能だったなんて。今まではこの性能をフル活用できてなかったんだなあ。DVDはブルーレイディスクと比べると、輪郭の線がギザギザして、全体的にボケているが、ブルーレイディスクは輪郭の線もなめらかで、映像もシャープになる。画面が大きくなればなるほど、その差が目立つ。

 上の写真は、フルハイビジョン対応の24インチ モニターを使って、通常の画質である480i(解像度が640×480)と、フルハイビジョンである1080p(解像度が1920×1080)を比較したものだ。映像素材は「バイオハザードIIアポカリプス」。解像度の比較試験なので、調整してなるべく色合いを近づけてみた。写真では、480iと1080p、ほとんど大差ない。テレビが小さければ違いはあまりわからないことになるわけだが、しかし、これが動くと、その差もはっきりする。480iの方はシャープ感に欠け、ギザギザした感じがするのだ。

 唇だともっと比較しやすい。どちらがキスしたい唇か? 480iは圧縮感が強い。画像が平坦で、にじんだ感じがする。1080pの唇の方は質感もちゃんと出ており、立体的である。この高画質の状態で画像が動くのだから感動ものだ。顔のシミとかもはっきりと映し出してしまうので、これからの役者はメイクアップが大変じゃないだろうか。

 いずれは、一般家庭のテレビもハイビジョン化していく。もう時代はそこまで来た。残念だが、僕はもうDVDの時代は終わったと思う。これからはデジタルのフルハイビジョンの時代。いずれは地上波アナログ放送は終わる。機械が苦手という人も、こればかりは乗り遅れないように、必死にしがみついていかねばならないと思う。

 最後に参考程度にもうひとつ。テレビも、ブラウン管から液晶・プラズマに代わりつつあるが、僕はブラウン管も捨てたもんじゃないと思う。正直言うと、現時点では、液晶で見た1080pの映像と、ブラウン管で見た480iの映像とでは、見た目ではまだまだブラウン管の方に軍配があがる。VHSなどのアナログ画質でいえばブラウン管の方が断然綺麗。液晶では横スクロール時、映像が少しぼやけるが、ブラウン管はくっきりと写してくれるからだ。コントラストもブラウン管の方が良い。そのうち液晶がブラウン管の性能を超える時も来るだろうが、それまでは図体のでかいブラウン管のテレビも愛用していきたいものである。

ソニー ブルーレイディスク ポータルサイト

オリジナルページを表示する