『アリア』原田佳奈インタビュー
6月26日(金)より『アリア』のDVDが発売される。国内外で高い評価を得ている村松亮太郎が監督。井坂俊哉、原田佳奈が主演。サンパウロ国際映画祭に正式出品された作品だ。本作が製作されたのは今から6年前の話になる。DVD発売を前に、このほど主演の原田佳奈が単独インタビューに応じた。
--村松監督に初めて会ったときの印象は?
「最初は私の演技レッスンの学校に監督が見に来てて、それで監督に会ったんですけど、どういう女優さんが好きなの?どういう映画が好きなのって話し掛けられて、この人いったい誰だろうと思っていました。全身黒で、怪しげな人だな(笑)というのが第一印象でした」
--監督の演出はどうでしたか?
「もともと台本がなくてシーンだけがあって、セリフは全部リハーサルの段階で役者さんと作り上げて行くという形でした。こういう風にしてくださいと言われてやるのではなく、リハーサルをしていく中で、じゃあもうちょっとこういう風にやってみようとか、一緒に作り上げて行く感じでやっていました」
--何か監督に意見とかしましたか?
「私のほぼデビュー作だったということもあるし、どうしたらいいかわからない状態だったので、私から何か監督に言うことはほとんどなかったですね。どちらかというと監督が引き出して下さったという感じです」
--諏訪ロケで思い出に残ってることは?
「思い出がありすぎてどれを選んだらいいんだろう(笑)。とにかく大変な撮影でした。天気に左右されたり、雪が降ってないと撮影ができないとか、大変だったなという思い出は結構あるんですけど。霧ヶ峰とか一面雪のところは意外とそれほど寒くないんですけど、橋の上が地味に寒くて、風がびゅうびゅう吹いていて、顔が寒さでこわばってセリフが言えないことがあって、それが一番大変でした。毎日が修行みたいな感じでした」
--撮影は何日くらいありましたか?
「東京と長野を行ったり来たりして、制作の問題で途中で中断したり色んなことがありまして、全部で2・3か月くらいかかりました」
--ロケでは合宿していたのですか?
「そうです。ずっと同じところで寝泊まりをしていました。現場は常に違うんですけど、だいたい30分以内に行けるところに行ってました。次の日の予定は前の日に決まるという感じで、臨機応変に対応していかないと撮影できない現場でした」
--演技するときに心掛けていることとかありますか?
「現場によって違いますが、自分が役作りで準備していったことを、現場に入ったら一度取り払ってニュートラルにして、その現場の雰囲気を感じながら演じていくことを心掛けています」
--どういう映画が好きですか?
「色々なジャンルを何でも見ます。一番好きなのは、人間の醜い部分とか弱い部分を描いている映画ですね。私はストーリーよりも役者さんの芝居にフォーカスして見るので、どうやったらこんな芝居ができるんだろうかと、そこに惹かれてしまいます」
--では最近見た映画で印象に残っているものは?
「役者さんもストーリーとか構成とか編集も含めて『スラムドッグ$ミリオネア』は私の中ではかなりポイントが高かったですね。インドのお気楽なミュージカルみたいな感じで終わっていくところが清々しくて。『スラムドッグ』みたいな映画に出たいですね。ああいう映画が評価されたのは素晴らしいことだと思います」
--ステンドグラスを作るシーンがありますが、あれは自分で作っているのですか?
「はい。撮影監督のお母様がステンドグラス作家で、部屋に道具があったので教えていただきました」
--映像がとても印象的でした。
「シーンにもよりますけど、現場でも照明は特に時間をかけていました。ロケでは自然光に近い形でやっていたのですが、ミチの部屋とかはだいたい現場で照明待ちでした。微妙な傾き加減で映像が全然違ったりするので、2・3時間くらい時間をかけて細かくやっていました」
--好きな映画スターは?
「役者として誰か一人あげるとしたらショーン・ペンです。セクシーですよね。女優さんだと、自分がこういう風になりたいとかこういうスタンスでやれたらいいなとか考えるじゃないですか。でもショーン・ペンは単純に好きですね。女優さんでは、ケイト・ブランシェット、ナオミ・ワッツです。ナチュラルで、ある種普通ぽさもあるんだけど、色んな役の幅がある女優さんに惹かれます」
--原田さんの出ていないシーンで印象に残っているところは?
「啓吉君が電話ボックスで電話をかけるシーン。編集がかっこよくて好きです」
--ファンに言われたことで嬉しかったことは?
「そのときにしか出せない雰囲気があって、私としては恥ずかしくてつたない部分があったりするのですが、そういう部分も含めてミチの雰囲気が伝わってくると言われたときには嬉しかったです」
--最後にこの映画の見どころをお願いします。
「景色や映画全体に流れている雰囲気を味わえる映画だと思うので、自分の大切な人とか初恋の人とか、ちょっとでも思い出してもらえたら嬉しいです」(2009/5/8)
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『アリア』DVD
発売元:(株)ネイキッド
販売元:ポニーキャニオン
品番:PCBE-53356
価格:3990円(税込)
発売日:6月26日
(C)NAKED INC.