2009/5/22 Vol.159
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こんにちは。澤田です。
昨日2005年版『キング・コング』のDVDの特典でついていたドキュメンタリーを見たのですが、目から鱗が落ちました。映画製作というものがどういうものか、どういう過程で進められていくのか、手に取るようにわかる内容でした。ますます『キング・コング』という映画が好きになりました。
これを監督したのはピーター・ジャクソン。これだけの大作をひとりでまとめたなんて、驚異としか言えません。ドキュメンタリーは映画公開までを監督がカウントダウンする形で進められて行くのですが、これだけの大仕事を公開日まで計画通りちゃんと間に合わせているのですから驚きます。
ドキュメンタリーを見てみると、本当に多くの人が作品に関わっていることがわかります。例えばちょっとした効果音ひとつだけのためにも、何十人という人がたっぷりと時間とお金をかけて丁寧に作っているんですね。もうそれは気が遠くなるような話でした。彼ら裏方の地道な努力なしに映画は作れないと、改めて考えさせられました。
僕等は映画を見るとき、すごくざっくりと見るじゃないですか。でも実際『キング・コング』をよーく目を凝らして見てみると、我々が全く見ていない細部の細部までこだわって作られていることに気付きます。映画というものは普通は見れば見るほどアラに気付くものですが、『キング・コング』の場合はむしろ逆で、見れば見るほどその芸の細かさに驚いてしまいます。
何百何千人というプロのスタッフとキャストが協力して、一本の映画を組み立てること、これだけでも奇跡のようなものに思えてきます。映画は彼らの結晶なんですね。
映画が完成して、監督が最初に発した言葉は「疲労困憊だよ」でした。製作日誌を始めから見てみると、みるみる監督が痩せて行くのがわかり、ある意味ダイエットのドキュメンタリーを見ているかのようです。できあがった映画は2・3時間で見られますけど、その裏で製作者が何日も苦労していることを頭の片隅に置いて見て欲しいですね。
ジャクソン監督は舞台挨拶でこう挨拶しました。「エンドクレジットが9分もあるけど、トイレは我慢してね」。名言だと思います。エンドクレジットに自分の名前が入っていること。それは裏方スタッフにとって最高の喜びなのではないでしょうか。