第17夜『テラートレイン』
悪ノリのキャッチコピーが最高!
(C) 2007 TT PRODUCTIONS, INC.
怖い映画が大好きなので、この映画、見ちゃいました。恐ろしかったというか、不気味で気持ち悪かった。
この映画、チラシを見て思わず吹き出してしまいました。「地獄の車窓から」、「トンネルを抜けると、そこは地獄だった」。どこかで聞いたことのあるキャッチフレーズがパロディに・・・。恐怖とお笑いは紙一重ですな。配給会社さんもよく考えたなあと、この洒落のきいた悪乗りのチラシに乾杯。
いや、そのキャッチフレーズに偽りのない内容でした。これぞ生き地獄ですぜ。レスリングの試合で異国の地にやってきたクラブチームご一行が乗り込んだ列車があろうことか地獄行きの列車だったというお話。ご一行は一人また一人といなくなっていく。連れさられたものは、奥の車両で、生きたまま内臓をえぐり取られたり、目をくり抜かれたり。「生きたまま」というのがポイントです。閉ざされた世界に、言葉の通じないサイコ野郎たちに囲まれて、サバイバルもついにここまできたか。周りに人はいっぱいいるのに、誰も助けてくれないこの歯痒さ。胸をパックリ開けられて泣きわめくシーンが完全無修正の丸見えときたもんだで痛い痛い。それでも死なない。もう死んだ方がマシだよという世界。ある意味、これは究極のSMか。
でもって、例によって女性一人だけが最後に残って(スプラッター映画の定番コースだな)、この一人が必死で抵抗していく様子を見守るのが後半部。今度は女が一人で敵を一人また一人とやっつけていきます。こういう映画が好きな人なら、久しぶりに手応えを感じられるかもしれませんよ。ホラー映画というのは後味が悪いものですが、この映画の場合、なかなか達成感がありました。
『テラートレイン』は、5月2日(土)から銀座シネパトス他全国順次ロードショー。(配給:ムービーアイ)。