『レッドクリフ Part II』Imagine Future. プレミアム・イベント

『レッドクリフ Part II』プレミアム・イベント
「Imagine Future.」にX JAPAN登場!

4月5日(日)、国際展示場にて、映画『レッドクリフPart II』のキャンペーンと連動して、新社会人を元気づけるためのイベント「Imagine Future.」が開催された。イベントには新社会人と、現在就職活動中の大学生たちが400人集まった。

このイベントのテーマは「未来を信じて、勇気を持って立ち上がろう」。これは映画『レッドクリフ』のテーマとも一致している。100年に一度といわれる未曾有の不況下にある日本において、現代の若者たちに生きる勇気を与えるために、ジョン・ウー(映画)、小池百合子(政治)、竹中平蔵(経済)、松浦勝人(ビジネス)、秋元康(歌謡)、田村淳(お笑い)、小倉優子(アイドル)、X JAPAN(ロック)ら、各界の先輩たちが集結。「君たちが日本を背負ってがんばっていくしかない。もっと日本を元気づけようではないか」と若者たちに訴えた。

シネマガスタッフは、このイベントを最初から最後まで取材した(最後までいたのは恐らくウチだけ?)。仕事というよりは、ひとりの観客として、このイベントの趣旨には大変感銘を受けたし、「こうしちゃいられないな」と何か背中を押される思いだった。イベントが終わって僕が思ったことは、このイベントを日本中の人たちに出来る限りここで詳しく伝えることだった。僕がそんな使命感にかられたのも、このイベントがそれだけ意義のあるものだったからだ。このページを読んでイベントに参加した気分を少しでも味わっていただけたなら幸いである。

イベントは、最初に『レッドクリフ』のジョン・ウー監督と、このイベントに賛同した日本経済新聞社の長田公平専務の二人がステージに登場するところから始まった。ジョン・ウー監督は「このような素晴らしいイベントに参加できて光栄」と挨拶した。ウー監督は「この映画で一番伝えたかったことは、どんな状況でも人と人が協力しあえば、未来を切り開いていけるということだ。最初から『レッドクリフ』の音楽は日本人と決めていた。撮影現場には中国人も韓国人もいればモンゴル人もいる。ハリウッドから来た人だっている。かつてはお互いに敵同士で戦争をしていた民族が、ひとつの志のもとに集まって、物作りをしているというこの現場こそが、私にとっての理想だ」と語っており、三つの国が戦争をする三国志の世界を通して、このことを伝えたかったという。

小池百合子議員は、環境面に絡めて、日本の素晴らしさを訴えた。
「日本はプリウスなどのハイブリッド車を作った。一番日本が厳しいときに、その危機を克服してイノベーションにつながった」
「国境とはいうけど、地球的課題に国境はない。日本には陸上の国境がないから国境という意識に疎い。日本を小さな島国と思ってる人も多いけど、海もふくめた面積は世界第6位、人口は世界10位の大国です。皆さんは日本を小さく思っている気がする。沢山の無人島もあるから、住めるようにしたい。ツバルは沈む国と言われているけど、沖縄を提供してもいいんじゃないかと思う」
「アメリカで一番自動車を売った人は<250の法則>を発見した。<250の法則>とは、一人の人に会うとき、この人の後ろに250人の人がいるということ。これを意識して人と接すれば、本当にその人は250人の人に話してくれる。これは選挙にも通じる」
小池議員は、優しく話しかける感じで、笑った顔がとてもチャーミング。非常に好感の持てる素敵な人だった。

竹中平蔵教授は、わかりやすく映画『レッドクリフ』に絡めて若者たちにエールを送った。
「僕もついこの間まであなたたちと同じ年齢だった。いきなりおじさんになったんじゃないよ。人生は意外と短い」
「今テポドンを迎撃するニュースが流れているけど、ここお台場ではかつて砲台を置いてペリー艦隊の迎撃に備えていた。今皆さんがお台場にいるのは運命的。この場所で、100年前も今と同じ事をやっていたんです」
「『レッドクリフ』はすごい映画。色々な人生の出来事に絡めて欲しい。僕は郵政民営化のことを思い出した。僕は郵政民営化のために1500回答弁した。参議院で否決されて、背水の陣になった。小泉さんは郵政民営化のためなら殺されてもいい、民営化しなければ日本の将来はないと真剣に戦った。24時間、とにかくこれは戦いだった。1日にジェット機に4回、ヘリに3回乗ったこともある。志があって背水の陣で挑めば道は開ける」
竹中教授は、声が聞き取りやすく、話もウィットに富んでいてとても面白い人だった。竹中教授の口から発されると、何にでも説得力があった。

エイベックスの松浦勝人社長は、初めての講義ということで、ちょっと緊張気味だったが、エイベックスを設立した経緯などについて語ってくれた。
「浜崎あゆみがデビューした当時、色々なところで悪く言われた。うちの社員まで彼女の悪口を言ったときには、さすがに僕も腹が立ったので、言い返してやろうかと思ったが、浜崎あゆみに「きっとこの人には何か嫌なことがあったんだよ。だからこの人を責めないでよ」と、本人から止められた」
「僕は一度も就職したことがない。色々なレコード会社の面接を受けたけど、どこも採用してくれなかった。じゃあ自分でやろうと思ってエイベックスを始めた。音楽が好きだから、音楽の仕事がしたくて、自分で何かやろうと思って、まず貸しレコード屋から始めた。貸しレコード屋はお客さんに接する一番下の部分。それから階段を上がって行って、問屋になって、メーカーになった。エイベックス20年、色々なことがあった。20年前起業したときはエイベックスがこんなになるとは夢にも思わなかった」
どこにも受け入れられなくとも、自分の得意なことがあれば、それをやっていけばいいということを教えてくれた松浦社長は、夢を持つ大学生たちを大いに奮い立たせてくれたはずだ。

作詞家の秋元康先生は、人生をわかりやすいものに例えて、行動することの勇気を若者たちに訴えた。
「17からラジオの台本を書いた。このまま何をするんだ自分はと、漠然と思っていた。1989年にニューヨークに行って色々なことを考えていたとき、コンドミニアムからイーストリバーを見ながら、どうなるんだろうと思っていた。それが『川の流れのように』につながっていった。この曲を書いたとき、自分はこの仕事を続けて行くんだ。プロなんだと、ターニングポイントになった」
「僕がアドバイスできることは、迷うなということ。何がいけないかというと、手前で立ち止まること。右や左に行っても、間違っていたら急いで帰ってくればいい。道を間違えて何度も行き来しているほどに筋力がつく。皆さんには行き来する若いパワーがある」
「人生はテレホンカードみたいなもの。テレホンカードは今時古い例えだけど、いっぱい喋っても黙っていても度数は同じペースで減っていく。何もしなくても忙しくても一日は一日。幸せは探すものじゃなくて気づくもの。作れない料理を考えていてはダメ。今手の中にあるもので幸せを作って欲しい」
「人生に勝つにはジャンケンに強いと思い込むこと。ジャンケンには必勝法はないから」
あらゆる分野において成功を収めてきたマルチ作家の秋元先生ゆえに、さすがにその哲学にはオリジナリティがあった。

客席からイベントを楽しんでいた小倉優子は、ゆうこりん星のことを忘れて、すっかり真面目モードに。MCの田村淳から「大人になったね」と褒められていたが、客席インタビューで、ある大学生から「ゆうこりんよりは理解できた」と言われたときにはたじたじになっていた。

第二部では、全員揃ってのディスカッションがあり、竹中教授は、松浦社長の話を受けて、「今からすぐにできることがある。社長です。社長になれば皆さん失業者じゃないんです。自分で事業を起こせばいい。今は1円で会社が作れる」と若者に独立することを勧めていた。秋元先生も「自分の好きなことがやれれば最高」とこれに賛同。淳は客席を見渡しながら、「今日は400人の社長が誕生するわけですね」といって笑わせていた。

続いて、MCの渋谷亜希が「びっくりのシークレットゲストの登場です」とアナウンスすると、場内が真っ赤にライトアップされ、ステージ中央に河合のクリスタルピアノが登場。この瞬間、会場を埋めつくした学生たちは「まさか」と息を飲んだ。X JAPANのロゴマークがスクリーンに映し出されると、会場は大歓声に包まれた。YOSHIKIとTOSHIがステージに登場し、二人は「Forever Love」を演奏。それまでの真面目な雰囲気からガラリと変わって、会場は感動のロックステージへと変貌した。

演奏のバックでは、YOSHIKIは四川大地震の被災地を訪れた映像が流れた。YOSHIKIは「廃墟と化した町にショックを受けたけど、子どもたちは生き生きとしていた。自分たちも一生懸命生きようと思った」と話していた。被災地の子供達が希望を失わないために仮設学校に音楽室をプレゼントするという。

20分の休憩を挟んで、『レッドクリフ Part II』を上映。三国志で最も有名な赤壁の戦いもいよいよクライマックスへ。登場人物の人間関係もより味わい深くなり、孔明が知恵を絞って10万本の弓矢を集めるシーンなど見せ場も多く、『Part I』を凌ぐ出来栄えである。『Part II』があって『Part I』の伏線も生きてくるため、前作に満足した人だけでなく、前作に不満があった人にも見てもらいたい。これでもかと火薬を使いまくったド派手な戦争シーンは、これぞスペクタクル映画の醍醐味である。

レッドクリフPart II -未来への最終決戦-』はTOHOシネマズ日劇ほかにて現在公開中。

クリックすると拡大表示します。(撮影・澤田)
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