は行ーは (専門用語事典)
【は】
バークリー・ショット [撮]
30年代のミュージカルの撮影スタイル。大勢のダンサーたちが登場し、華やかなレビューを俯瞰で撮影したり、移動撮影やカットつなぎで見せる。
バージョン [作]
作り替えた作品。日本語では「~版」。バージョン違いの映画は多く存在する。たとえば、未公開シーンを加えたもの、喋っている言語が違うもの、スクリーンサイズが違うもの、色が違うもの、結末が違うもの。
パース線 [他]
コンテなどで背景画を描くとき、正しい遠近法で作画するための目安として引くガイドライン。ラインは消去点へとのびていく。
パースペクティブ [撮]
遠近感の錯覚を利用して対象物の大きさや奥行きを変えて見せる技法。
バーチャルリアリティ Virtual Reality [他]
現実感を持った仮想的な世界。とくにCGで作られた三次元の世界が多い。特殊メガネと特殊グローブをはめて、あたかも仮想世界の住人になったように錯覚させるなど、様々な実験が進められている。仮想体験。仮想現実。
パートカラー [作]
モノクロ映画だが、一部のシーンだけがカラー映像になること。
ハードコア [作]
性器をクロースアップで見せるポルノ映画。
パートナーシップ [製]
複数の配給会社が共同出資すること。
パーフォレーション perforation [撮]
フィルムに開けられた穴。カメラや映写機でフィルムを走行させるために、歯車に噛ませる。スプロケット穴。
ハイ・アングル [撮]
上方から下向きの撮影アングル。ハイ・ショット、バード・ショット、俯瞰。
→ロー・アングル、俯瞰
配給 [製]
製作された映画を映画館へ送りだすこと。製作会社が生産メーカー、映画館が小売り店とすると、配給会社は問屋の位置にある。大きな製作会社ならば配給までやってしまうが、独立プロダクションなどは配給会社と契約して映画館へ送り出すのが普通。例をあげると、「風と共に去りぬ」はセルズニック・プロが製作しているが配給はMGM、「我等の生涯の最良の年」はゴールドウィン社が製作しているが配給はRKO、「ウエスト・サイド物語」はミリッシュ社が製作しているが配給はUA、「レイダース」はルーカスフィルムが製作しているが配給はパラマウントである。UIP、ブエナビスタ、ヘラルドのように配給を専門とする会社もある。最近の映画はインディペンデント会社が製作するのがほとんどで、メジャー会社は配給専門になりつつある。
ハイスピード [撮]
フィルムの回転速度を早くして撮影すること。結果として、スローモーションの映像ができあがる。
バイタスコープ [他]
シネマトグラフに対抗してエジソンが開発した映写機。キネトスコープは覗き式だったが、こちらはスクリーン投射式である。
配収 [製]
配給収入の略。興行収入から映画館の取り分を引いた額で製作会社へ入る収入。ふつう映画館が4、製作会社が6の割合で配分。
→興行収入
バイバック現像 [撮]
撮影ネガと生フィルムの膜面を重ねて露光する現像方式。
ハイハット [装]
→ゴトク
ハイビジョン hi-vision [他]
日本が開発したテレビジョン規格。いかに臨場感を感じさせるかという観点で開発され、美しい映像を実現。BSでハイビジョン放送が送られている。
ハイフネイト hyphenate [他]
脚本家兼監督という風に2つ以上の仕事をする人。
バイ・プレイヤー [演]
助演する人。
ハイ・ポジション [撮]
高い位置から撮ること。
→ロー・ポジション
ハイライト [撮]
1) フィルムで最も明るく見える部分
2) 劇中最も興味深い見せ場
3) 照明で、非常に細い光線。女優の眼などに当てる。
バウンス・ライト [撮]
乱反射による散光でコントラストをやわらかくするライト。
ばこべん [装]
色々な小道具を入れる箱。便利な箱だからこう呼ばれるようになった。
バジェット budget [製]
予算。
8ミリ 8mm [撮]
フィルムサイズのひとつで、もっとも小さく、安価なもの。その分画質は粗いが、アマチュアでも自主映画制作が低予算でできる。毎秒18コマで撮影。種類はシングル8とスーパー8があり、それぞれに違う良さがある。シングル8はポリエスターをベースにしており、タングステン・タイプとデイライト・タイプの二種類があり、画質がシャープで、撮影を中断してフィルムを巻き戻すことができる。スーパー8はトリアセテートをベースにしており、擦り傷がつきにくく、消費電力が少なく、編集にセメントを使用することができる。発色の色合いはメーカーによって異なる。一時期全盛だったが、ビデオの普及により、今は忘れられた存在にある。
→16ミリ、35ミリ、70ミリ
8ミリビデオ [撮]
小型のビデオカセット。家庭で手軽にビデオ撮影ができた。現在は高画質のデジタルビデオの普及に伴い、あまり使われなくなった。
→VHSC
パチ [編]
字幕技術のひとつで、最も安価なもの。フィルムに傷をつけて字幕を入れる。パチ打ち。
→ケミカル、焼き込み、レーザー
バックライティング backlighting [撮]
→逆光
パッケージ・ディール [製]
セット販売。また、エージェント会社が、自社契約の人材だけで企画製作すること。
バディ・ムービー [製]
相棒映画。
パナビジョン Panavision [映]
ワイド方式のひとつ。シネマスコープと同じサイズだが、画質が向上している。
→シネマスコープ
パニック映画 [作]
天災や事故を描いた映画や動物たちが襲いかかる映画。人間たちが悲鳴をあげながら逃げたり、大量に死んでいくところがパニック映画の見せ場。アーウィン・アレンの傑作「ポセイドン・アドベンチャー」(72)と「タワーリング・インフェルノ」(74)が公開されたころが最盛期だったが、90年代にデザスター映画という別名で第二次最盛期を迎えた。災害映画ともいう。
はねる [映]
その日の映画上映を終えること。
パブリシティ [製]
映画の宣伝を目的にした新聞・雑誌の記事、テレビ番組。パブ。
ばみる [演]
人の立つ位置に印をつけておくこと。
早回し overcrank [撮]
カメラのフィルムを早く回転させて撮影すること。早回しで撮影したものを普通に映写すると、スローモーションになる。オーバークランク。
→遅回し、スローモーション
バラエティ誌 Variety [他]
アメリカで発行されている業界誌。ハリウッド、ブロードウェイを中心に、芸能関係のことなら何でも報道する。
パラマウント Paramount Pictures [製]
ハリウッドのメジャースタジオ。1916年にアドルフ・ズーカーが設立。マッキンレー山がシンボルマーク。ゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリヒ、マルクス兄弟ら人気スターを有し、巨匠セシル・B・デミル、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー、プレストン・スタージェス、アルフレッド・ヒッチコックらに支えられた。54年にはワイドスクリーンのヴィスタヴィジョンを開発。この方式は現在も広く使われている。「ゴッドファーザー」、「ビバリーヒルズ・コップ」などのメガヒット・シリーズもあり、史上最も収益の高いスタジオである。スターや監督のことを一番よく考えていたメジャースタジオでもあり、社内の様子は「サンセット大通り」で覗くことができる。【写真は会社のロゴマーク】
パラレル・アクション parallel action [編]
同時に進行する二つのアクションを並行して描くこと。
→クロスカッティング
パラレル・サウンド parallel sound [撮]
画面と内容が一致するサウンド。
ハリウッド Hollywood [製]
カリフォルニア州ロサンゼルスにある映画産業の町。ユニバーサル、パラマウント、ワーナー、フォックスなど、数多くの映画会社とテレビスタジオが集まっており、毎年何百という映画・番組を生産している。ハリウッド大通りのチャイニーズ・シアター周辺は観光地化しており、ここにだけ異様に人が集まっている(中でも日本人観光客がやたら多い)。歩道にはスターたちの名前が刻まれた星型のプレートが埋め込まれており、数々の映画館、ホテル、映画グッズ店、ランジェリー・ショップが建ち並ぶ。グリフィス・パークからは名物HOLLYWOODのランドマークをゆっくりと拝むことができる。
はりぼて [装]
発泡スチロールなどに色を塗ってごまかすセット。
PAL方式 Phase Alternating Line [他]
ヨーロッパ・中国のカラーテレビの規格。走査線数625本/50フィールド。
→NTSC方式
ハレーション [撮]
逆光の映像を撮影するとき、フィルムの感光膜に反射して写ってしまう光。独特な効果にもなり、森田芳光の「ライト」などでは効果的にハレーションが使われた。
→逆光、フレア
パロディ [作]
著名な作品の作風などをもじり、内容を作り替えて風刺化・滑稽化したもの。
パン pan [撮]
カメラ本体は動かさないで、カメラの首を左右に動かすこと。
→ティルト
バンク [編]
使い回しするカット。
犯罪映画 [作]
犯罪を扱ったジャンル。ギャング・アクション、フィルム・ノワール、推理サスペンスなど、広範囲に及ぶが、その中でも特に拳銃を撃つシーンを売り物とする作品を指すことが多い。
→フィルム・ノワール
反射光 [撮]
被写体の陰影を柔らかく自然にするために、天井やホワイトボードなどに反射させて作り出すバウンス光。
パン・フォーカス [撮]
→ディープ・フォーカス
パンフレット [映]
→プログラム
ハンモッキング hammocking [映]
テレビで、新番組などを、2つの人気番組の間に放送すること。
バークリー・ショット [撮]
30年代のミュージカルの撮影スタイル。大勢のダンサーたちが登場し、華やかなレビューを俯瞰で撮影したり、移動撮影やカットつなぎで見せる。
バージョン [作]
作り替えた作品。日本語では「~版」。バージョン違いの映画は多く存在する。たとえば、未公開シーンを加えたもの、喋っている言語が違うもの、スクリーンサイズが違うもの、色が違うもの、結末が違うもの。
パース線 [他]
コンテなどで背景画を描くとき、正しい遠近法で作画するための目安として引くガイドライン。ラインは消去点へとのびていく。
パースペクティブ [撮]
遠近感の錯覚を利用して対象物の大きさや奥行きを変えて見せる技法。
バーチャルリアリティ Virtual Reality [他]
現実感を持った仮想的な世界。とくにCGで作られた三次元の世界が多い。特殊メガネと特殊グローブをはめて、あたかも仮想世界の住人になったように錯覚させるなど、様々な実験が進められている。仮想体験。仮想現実。
パートカラー [作]
モノクロ映画だが、一部のシーンだけがカラー映像になること。
ハードコア [作]
性器をクロースアップで見せるポルノ映画。
パートナーシップ [製]
複数の配給会社が共同出資すること。
パーフォレーション perforation [撮]
フィルムに開けられた穴。カメラや映写機でフィルムを走行させるために、歯車に噛ませる。スプロケット穴。
ハイ・アングル [撮]
上方から下向きの撮影アングル。ハイ・ショット、バード・ショット、俯瞰。
→ロー・アングル、俯瞰
配給 [製]
製作された映画を映画館へ送りだすこと。製作会社が生産メーカー、映画館が小売り店とすると、配給会社は問屋の位置にある。大きな製作会社ならば配給までやってしまうが、独立プロダクションなどは配給会社と契約して映画館へ送り出すのが普通。例をあげると、「風と共に去りぬ」はセルズニック・プロが製作しているが配給はMGM、「我等の生涯の最良の年」はゴールドウィン社が製作しているが配給はRKO、「ウエスト・サイド物語」はミリッシュ社が製作しているが配給はUA、「レイダース」はルーカスフィルムが製作しているが配給はパラマウントである。UIP、ブエナビスタ、ヘラルドのように配給を専門とする会社もある。最近の映画はインディペンデント会社が製作するのがほとんどで、メジャー会社は配給専門になりつつある。
ハイスピード [撮]
フィルムの回転速度を早くして撮影すること。結果として、スローモーションの映像ができあがる。
バイタスコープ [他]
シネマトグラフに対抗してエジソンが開発した映写機。キネトスコープは覗き式だったが、こちらはスクリーン投射式である。
配収 [製]
配給収入の略。興行収入から映画館の取り分を引いた額で製作会社へ入る収入。ふつう映画館が4、製作会社が6の割合で配分。
→興行収入
バイバック現像 [撮]
撮影ネガと生フィルムの膜面を重ねて露光する現像方式。
ハイハット [装]
→ゴトク
ハイビジョン hi-vision [他]
日本が開発したテレビジョン規格。いかに臨場感を感じさせるかという観点で開発され、美しい映像を実現。BSでハイビジョン放送が送られている。
ハイフネイト hyphenate [他]
脚本家兼監督という風に2つ以上の仕事をする人。
バイ・プレイヤー [演]
助演する人。
ハイ・ポジション [撮]
高い位置から撮ること。
→ロー・ポジション
ハイライト [撮]
1) フィルムで最も明るく見える部分
2) 劇中最も興味深い見せ場
3) 照明で、非常に細い光線。女優の眼などに当てる。
バウンス・ライト [撮]
乱反射による散光でコントラストをやわらかくするライト。
ばこべん [装]
色々な小道具を入れる箱。便利な箱だからこう呼ばれるようになった。
バジェット budget [製]
予算。
8ミリ 8mm [撮]
フィルムサイズのひとつで、もっとも小さく、安価なもの。その分画質は粗いが、アマチュアでも自主映画制作が低予算でできる。毎秒18コマで撮影。種類はシングル8とスーパー8があり、それぞれに違う良さがある。シングル8はポリエスターをベースにしており、タングステン・タイプとデイライト・タイプの二種類があり、画質がシャープで、撮影を中断してフィルムを巻き戻すことができる。スーパー8はトリアセテートをベースにしており、擦り傷がつきにくく、消費電力が少なく、編集にセメントを使用することができる。発色の色合いはメーカーによって異なる。一時期全盛だったが、ビデオの普及により、今は忘れられた存在にある。
→16ミリ、35ミリ、70ミリ
8ミリビデオ [撮]
小型のビデオカセット。家庭で手軽にビデオ撮影ができた。現在は高画質のデジタルビデオの普及に伴い、あまり使われなくなった。
→VHSC
パチ [編]
字幕技術のひとつで、最も安価なもの。フィルムに傷をつけて字幕を入れる。パチ打ち。
→ケミカル、焼き込み、レーザー
バックライティング backlighting [撮]
→逆光
パッケージ・ディール [製]
セット販売。また、エージェント会社が、自社契約の人材だけで企画製作すること。
バディ・ムービー [製]
相棒映画。
パナビジョン Panavision [映]
ワイド方式のひとつ。シネマスコープと同じサイズだが、画質が向上している。
→シネマスコープ
パニック映画 [作]
天災や事故を描いた映画や動物たちが襲いかかる映画。人間たちが悲鳴をあげながら逃げたり、大量に死んでいくところがパニック映画の見せ場。アーウィン・アレンの傑作「ポセイドン・アドベンチャー」(72)と「タワーリング・インフェルノ」(74)が公開されたころが最盛期だったが、90年代にデザスター映画という別名で第二次最盛期を迎えた。災害映画ともいう。
はねる [映]
その日の映画上映を終えること。
パブリシティ [製]
映画の宣伝を目的にした新聞・雑誌の記事、テレビ番組。パブ。
ばみる [演]
人の立つ位置に印をつけておくこと。
早回し overcrank [撮]
カメラのフィルムを早く回転させて撮影すること。早回しで撮影したものを普通に映写すると、スローモーションになる。オーバークランク。
→遅回し、スローモーション
バラエティ誌 Variety [他]
アメリカで発行されている業界誌。ハリウッド、ブロードウェイを中心に、芸能関係のことなら何でも報道する。
パラマウント Paramount Pictures [製]
ハリウッドのメジャースタジオ。1916年にアドルフ・ズーカーが設立。マッキンレー山がシンボルマーク。ゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリヒ、マルクス兄弟ら人気スターを有し、巨匠セシル・B・デミル、エルンスト・ルビッチ、ビリー・ワイルダー、プレストン・スタージェス、アルフレッド・ヒッチコックらに支えられた。54年にはワイドスクリーンのヴィスタヴィジョンを開発。この方式は現在も広く使われている。「ゴッドファーザー」、「ビバリーヒルズ・コップ」などのメガヒット・シリーズもあり、史上最も収益の高いスタジオである。スターや監督のことを一番よく考えていたメジャースタジオでもあり、社内の様子は「サンセット大通り」で覗くことができる。【写真は会社のロゴマーク】
パラレル・アクション parallel action [編]
同時に進行する二つのアクションを並行して描くこと。
→クロスカッティング
パラレル・サウンド parallel sound [撮]
画面と内容が一致するサウンド。
ハリウッド Hollywood [製]
カリフォルニア州ロサンゼルスにある映画産業の町。ユニバーサル、パラマウント、ワーナー、フォックスなど、数多くの映画会社とテレビスタジオが集まっており、毎年何百という映画・番組を生産している。ハリウッド大通りのチャイニーズ・シアター周辺は観光地化しており、ここにだけ異様に人が集まっている(中でも日本人観光客がやたら多い)。歩道にはスターたちの名前が刻まれた星型のプレートが埋め込まれており、数々の映画館、ホテル、映画グッズ店、ランジェリー・ショップが建ち並ぶ。グリフィス・パークからは名物HOLLYWOODのランドマークをゆっくりと拝むことができる。
はりぼて [装]
発泡スチロールなどに色を塗ってごまかすセット。
PAL方式 Phase Alternating Line [他]
ヨーロッパ・中国のカラーテレビの規格。走査線数625本/50フィールド。
→NTSC方式
ハレーション [撮]
逆光の映像を撮影するとき、フィルムの感光膜に反射して写ってしまう光。独特な効果にもなり、森田芳光の「ライト」などでは効果的にハレーションが使われた。
→逆光、フレア
パロディ [作]
著名な作品の作風などをもじり、内容を作り替えて風刺化・滑稽化したもの。
パン pan [撮]
カメラ本体は動かさないで、カメラの首を左右に動かすこと。
→ティルト
バンク [編]
使い回しするカット。
犯罪映画 [作]
犯罪を扱ったジャンル。ギャング・アクション、フィルム・ノワール、推理サスペンスなど、広範囲に及ぶが、その中でも特に拳銃を撃つシーンを売り物とする作品を指すことが多い。
→フィルム・ノワール
反射光 [撮]
被写体の陰影を柔らかく自然にするために、天井やホワイトボードなどに反射させて作り出すバウンス光。
パン・フォーカス [撮]
→ディープ・フォーカス
パンフレット [映]
→プログラム
ハンモッキング hammocking [映]
テレビで、新番組などを、2つの人気番組の間に放送すること。