ラジオドラマを映画化『泣きたいときのクスリ』
大東俊介、戸田菜穂、初日舞台挨拶
1月10日(土)、シネマート新宿スクリーン1にて、『泣きたいときのクスリ』の初日舞台挨拶が行われ、福島三郎監督、大東俊介さん、戸田菜穂さん、袴田吉彦さん、佐津川愛美さん、北浦愛さんが登壇した。
『泣きたいときのクスリ』は、2007年秋に放送されて話題となった同名のラジオドラマ(5分枠全36話)を映画化したもの。オロナインH軟膏が特別協賛しており、オロナインH軟膏55周年を記念して、55歳の人は550円で映画が鑑賞できるキャンペーンも実施している。映画のプログラムは55周年にちなみ、550円で販売される。
ラジオといえば、地域密着性と、あたかもすぐすぐそばで会話しているような親近感。映画でもこういったラジオらしい特性を出すように作られており、全国のJFN系FM局の人気パーソナリティ13名が声による映画出演にトライしている。劇中、主人公たちがラジオを聴くシーンでは、ラジオの声のパートが、地方によって各局の人気パーソナリティが務め、映画でありながらラジオのような親近感が感じられるよう配慮されている。各局のラジオパーソナリティが主人公たちを励まし、導いていく展開は、これまでになかった新しいコンセプト。ラジオ好きの人にはたまらない演出といえる。
作品のポイントとなっているのは、大の大人が人前で大泣きすること。初日舞台挨拶では、主にこのポイントについて質問があり、泣いたことについてのエピソードについてそれぞれ登壇者が語った。
「成人して初めてこれでもかと飲んだときに、熱くなって号泣しながら語り出した。それ以来、二度と飲まない方がいいと思った」とは大東さんの談。
監督は「家族の前でも結構泣く。涙を家族に見せて自慢したりする」と語り、佐津川さんは「心が許せる友達だったら泣く。一人の時も泣く。涙は身内にしか見せない。監督の前では泣けない」と語る。
「今は人前で泣かないけど、昔20代前半の頃は人前でも涙を見せていた。ある監督に怒鳴られたときには涙が出た」とは戸田さんの談。ある監督とは久世光彦監督のことだ。
大東さんは舞台挨拶で、本作を「優しい時間が流れていく映画」とアピールしたが、その言葉どおり、これは80分間ラジオを聴いているような優しい時間が流れていく映画だ。
袴田さん演じる駅員のひたむきな優しさ、佐津川さん演じる悩める女子高生の愛くるしいさま。戸田さん演じる左遷OLのアンニュイな魅力。そして名優・遠藤憲一さんの男泣きシーン。ワンシーンワンシーンが胸にキュンとくる癒し系映画となっている。
『泣きたいときのクスリ』はエスピーオーとジョリー・ロジャーの共同配給で、1月10日より、シネマート新宿他より全国順次ロードショー。(2009/1/10 文・写真:澤田)