『北斗の拳』会見の様子

『北斗の拳』ケンシロウとユリアの結魂式イベント
会場全員で「ユワッシャー!!」と大合唱

平成20年9月13日(土)新宿区の日本青年館にて、『北斗の拳』生誕25周年記念イベントが開催された。

『北斗の拳』は週刊少年ジャンプで連載していた漫画で、人間の頭が破裂する描写や世紀末の世界観など少年漫画とは思えないハードな内容で、アニメ化された放送当時は社会現象になり、「お前はもう死んでいる」「あたたたたた」「ひでぶ」「ユワッシャー」「我が生涯に一片の悔いなし」「秘孔」など学生たちの間で数多くの流行語を生んだ日本漫画界屈指の大傑作。今でもコミック人気投票で必ずTOP5にランクインされる人気作だ。10月に公開される映画『真救世主伝説 北斗の拳 ZERO ケンシロウ伝』では、原作で描かれていなかった、第一巻の直前の時間軸にあたる「空白の1年間」が描かれる。

イベントではケンシロウとユリアが出会ってから25年、ついに結魂式を挙げるというコンセプトで行われた。まず最初にチャペルで挙式をして、続いて披露宴。関係者からの祝辞や、新郎新婦の友達による余興、親族(原作者)の挨拶があったり、進行は普通の結婚式と同じ。参加者は皆ケンシロウとユリアが現実に本当にいるつもりでこの大掛かりななりきりセレモニーを一緒に盛り上げた。

セレモニーの模様(画像クリックで拡大表示)

賛美歌

まず最初にチャペルで挙式。結婚といえば賛美歌は欠かせない。ということで、聖歌隊が「アメージング・グレース」を合唱した。

生みの親たち

『北斗の拳』の3人の生みの親が登場。左から原哲夫(漫画)、武論尊(原作)、堀江信彦(編集)。『北斗の拳』は彼ら3人4脚で作られ、一時代を築いたのだ。

水零の儀

「水零の儀」。会場のライトが落とされると、ステージは幻想的な空間につつまれた。シューベルトのアヴェ・マリアが響き渡り、客席からはため息がもれた。この儀式の意味は映画で明らかになるとか。

チャペル

式を挙げるケンシロウとユリアがチャペル(のスクリーン)に登場。二人は夫婦となり、一生涯愛し続けることを誓い合った。

epithalamion

ここから披露宴。司会はペナルティの2人と八木亜希子が務める。彼らも『北斗の拳』ブームの真っ只中に育った北斗チルドレンだ。八木はこの日のために原作を一巻から全部読み直したという。

梶浦由記

まず最初に作曲家・梶浦由記のピアノ演奏による歌「epithalamion」、「花守の丘」が歌姫たちによって歌われた。

司会のペナルティと八木亜希子

梶浦由記は『北斗の拳』の音楽を担当している他、『機動戦士ガンダムSEED』、『アキレスと亀』など、アニメに限らず幅広い分野で活躍。2003年には全米デビューを遂げている。

祝辞

続いて新郎新婦の親戚・友人・関係者からの祝辞がビデオレターで上映された。藤岡弘、(映画のナレーション担当)のほか、漫画の中のキャラクターたち(ラオウからザコまで)も登場。声優・千葉繁の名調子による「次回予告」も流れた。

三代目魚武濱田成夫

詩人・三代目魚武濱田成夫による祝辞。魂を感じさせる力強い祝辞であった。

jealkb

jealkbの演奏による「嘆きのエンドレス」(『北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王』オープニング曲)。前列の客席は興奮して総立ち。jealkb(ジュアル系ビー)は吉本発のバンドだが、歌は本気の本気。ライブハウスで活動中の本物のバンドである。

haderu

jealkbヴォーカルのhaderu。その正体はロンドンブーツ1号2号の田村淳。曰くjealkbは「日本一腰が低いビジュアル系バンド」とのこと。それ以上に「トークがおもしろいバンド」でもある。

mina☆muse

今年デビューするmina☆museによる歌「ナミダノカワ」(『北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王』エンディング曲)。ペナルティの脇田もうっとりして見とれていた。

マッスルミュージカル女達

続いてマッスルミュージカルによるダイナミックなパフォーマンス。TOM CATの名曲「TOUGH BOY」に乗って次々と縄跳びの技が繰り出された。

マッスルミュージカル大勢

マッスルミュージカルのコンセプトは「筋肉で音を奏でる」ということ。卓越した身体能力の持ち主が集まっている。

マッスルミュージカル男達

ご覧の通り、人間縄跳びも軽々と。セリフも物語もないけれど、圧倒的なアクロバットの連続に会場からは拍手喝采が巻き起こり、大いに盛り上がった。

池谷直樹

池谷直樹率いるマッスルミュージカルのテーマは「筋肉」。ムキムキの筋肉に北斗七星の傷跡はケンシロウのシンボル。演目が『北斗の拳』の世界観と見事にミクスした。

ムッシュ吉崎

いよいよセレモニーはクライマックスへ。待ってました! クリスタルキング、ムッシュ吉崎の登場! まずは「ユリア・・・永遠に」を披露。25年たって声量はますますパワーアップ。低音部だけでなく高音部も吉崎が一人で歌っていた。

原哲夫、武論尊、堀江信彦

新郎新婦の親族を代表して原哲夫(左)、武論尊(中央)、堀江信彦(右)が謝辞を述べた。堀江社長は「ケンシロウとユリアの子供は『北斗の拳』を支えてくれた皆さんだと思っています。25年間ずっと支えきてくれてありがとう」とスピーチした。

愛をとりもどせ!!

最後に全員でクリスタルキングの「愛をとりもどせ!!」を大合唱(歌詞カードは会場に来たファン全員に配られていた)。本物のムッシュ吉崎による生「ユワッシャー!!」にファンの熱気は最高潮に達した。

お開き

3時間のセレモニーは無事終了。これにてお開き。ケンシロウさん、ユリアさん、末長くお幸せに。

(2008/9/13 文・写真:澤田)

真救世主伝説 北斗の拳 ZERO ケンシロウ伝』は10月4日(土)より池袋シネマサンシャイン先行上映。10月11日(土)より全国一斉ロードショー。