アーノルド・シュワルツェネッガー (今週のスター)

主演作を必ずメガヒットさせるエンタティナー。その作品のクオリティに偽りはない。 かつてシュワルツェネッガーは肉体派役者として、色々な映画でムキムキマンを演じていた。その時代の代表作が「ターミネーター」。やばいほど冷たい悪役だった。  その後もずっと大男的な役で登場するが、今考えると心優しい性格の役ばかりだったようだ。中でも「コマンドー」のシュワはいかにも模範的で素敵なお父さん役だった。  それ以後、シュワには「優しくて逞しい男」という印象がつくが、それならコメディもやらせてみてはどうだろうか、ということで、「ツインズ」でイメージチェンジ。大成功を収めた。  それまでは単なるアクション・スターだったが、それからは何でもこなせる娯楽スターへと成長したシュワルツェネッガーは、その後「トータル・リコール」、「ターミネーター2」、「トゥルーライズ」と、シュワ三部作ともいうべき大作に立て続けに出演、どんどんメガヒットを飛ばし、最高のドル箱スターの位置に到達する。 食べてから鍛えるとゴリラになれる  シュワちゃんが僕らの間で親しまれるようになったのは、恐らく、カップヌードルの宣伝に出演してからじゃないかな。いかにもボディビルダー風の黒い服着て、やかんもって、変なポーズを決めるCM(確かラッキィ池田が振り付けやってたと思う)。キャッチコピーは「食べてから寝ると牛になる。食べてから鍛えるとゴリラになる」というようなものだった。フォークでラーメン食ってたところが妙に記憶に残っているけど、少なくとも僕の学校ではあれのおかげでシュワに対する人気が膨れ上がったし、僕にとってもあれがかなりの衝撃だった。僕はあのCMでシュワちゃんのファンになった。  でもうちの親は両方ともシュワに対して冷たかった。お母さんは、アクションが嫌いだから、シュワルツェネッガーの映画が悪影響を及ぼすと考えていたし、お父さんもこんなマッチョマンのせいで映画の価値が左右されるなんて馬鹿げてると考えていた。両親とも、シュワルツェネッガーの名前をきちんと言えたためしがなかった(母はシュバイツァー、父はシュバイツアネッガーと呼んでいた)。確かに子供には悪い映画が多いかもしれないが、作品の出来映えを言えば、それに間違いはない。悪い点を言うなら、まだ静的な芸術作品がなにもないということか。  僕が特に気に入っているのは「トータル・リコール」。このストーリーは考えれば考えるほど、切り口の斬新さに興奮してしまう。顔が割れるところもとんでもないし、それに美術センスも見事だった。「マトリックス」以前のカリスマ・ムービーといっていい。  また「トゥルーライズ」も好きな作品だ。この映画のシュワちゃんはとにかく嫁さんのことを想っていて、そのひたすらなところが泣ける。この映画はアクションというよりも人情コメディだった。  ついこの間の作品に「エンド・オブ・デイズ」がある。今までシュワも色んな悪役と戦ってきたが、今回は何と悪魔を相手に無謀にも銃で立ち向かう。その無茶苦茶ぶりがスーパーヒーロー伝的で凄く気に入ったが、あー、ラストでは何とあのシュワがああなっちゃうなんて・・・。このラストはシュワの映画の中でも最もじーんとくるシーンだ。何しろあのシュワがああなるんだからなぁ。

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