パウロ・モレッリ監督

『シティ・オブ・メン』ブラジル大使館
パウロ・モレッリ監督来日記者会見

 5月28日(水)青山。ブラジル大使館にて、『シティ・オブ・メン』の記者会見が開かれ、監督のパウロ・モレッリが登壇した。

 今年は日本ブラジル移住100周年を記念した「日本ブラジル交流年」で、両国で様々なイベントが行われるが、『シティ・オブ・メン』はそのイベントの一環として公開される作品でもあり、ブラジル大使館が後援している。

『シティ・オブ・メン』(C) 2007 O2 Cinema Ltda. All rights reserved.

 『シティ・オブ・メン』は、フェルナンド・メイレレス監督の『シティ・オブ・ゴッド』の姉妹編的な作品だ。ブラジル、リオデジャネイロのスラム街ファヴェーラを舞台に、父親を知らず、銃社会の中に生きている若者たちの現実を描いた社会派ドラマ。パウロ・モレッリとフェルナンド・メイレレスは古い友人同士で、共同で映画会社O2フィルムズを設立した仲間。本作でメイレレスはプロデューサーとして関わっている。

 モレッリ監督は会見で「日本は親しみやすい人ばかりで素晴らしい国。世界中の人が見たことのないブラジルを日本の方々にも見ていただきたい」と挨拶した。

 映画の中ではそこに暮らす人々が普通に銃を家族や友人に撃っているが、監督は「残念ながら同じ様なことが実際に起きている。麻薬でハイになっている人もいるから、家族を銃で殺す話もよく聞く」と厳しい表情をした。その一方「実際にファヴェーラに行ってみたら、住んでいる人たちはとても親切で、温かい人達だった。それ以来、私は彼らに敬意を払うようになった」という。『シティ・オブ・メン』はそんなファヴェーラの世界がリアルに描かれ、『シティ・オブ・ゴッド』にはない希望が感じられる作品になっている。(2008/5/28 取材・澤田)

シティ・オブ・メン』は8月9日(土)渋谷シネ・アミューズほか全国ロードショー